感動をありがとう(塾だより3-4月号:中学生)

羽生結弦選手が冬季オリンピックで2大会連続の金メダルを取りました。前回のソチオリンピックからの4年間、怪我と故障の絶えない日々を過ごした上での金メダル、本当に見事でした。最後に右足を怪我した直後は「スケートをやめなければならないかもしれない」という思いすら頭をよぎったといいます。そこからわずか4ヶ月での復活勝利。3回転ジャンプの練習を始めたのが大会の3週間前、4回転を跳んだのが2週間前だそうです。怪我の完治を疑問視したり、たとえ怪我が治っても練習時間の不足を指摘したりで、色を問わずメダルを取れるとすら予想できなかった人もいたはずです。そんな状況でも金メダルをきっちり取ってくる羽生選手には、もうさすがとしか言いようがありません。

「感動をありがとう」って言葉を、よく聞きます。僕も今回のオリンピックには少なからず感動をいただきました。今回は特にオリンピック前、何人かの選手をニュース番組などで見かけて、その方々の成績を気にしていました。有名なところでは高梨沙羅選手と平野歩夢選手、小平奈緒選手、そして渡部暁斗選手です。みんなメダルを取ることができましたが、それぞれに大きな困難とそれを乗り越えたドラマがありました。特にシルバーコレクターと呼ばれた渡部選手の、今回も金メダルを獲れなかった悔しさを思うと胸がつまります。

もう一人、昨年のスノーボード世界大会で3位だった鬼塚雅選手にも注目していました。熊本県出身の19歳で、16歳のとき世界選手権で優勝して注目されました。九州の熊本ではもちろんスノボの練習はできません。スキー場のある福島まで毎回、車!で通っていたと言います。大会前に平昌と同じ雪のジャンプ台をつくり、勝負する大技の練習を重ねる姿を見て、一人ひそかに応援していました。そして、そう、みなさんの記憶にないということは、残念な結果に終わってしまったということです。テレビで見た彼女の涙を、僕は忘れることができません。

「君たちはどう生きるか」というマンガが、200万部を超える大ヒットになっています。その中に「生産する人と消費する人」という内容が出てきます。世の中には「作る人」と「使う人」の2種類がいて、自分が使うよりも多くのものを生み出している人がいる。その反面、使うばかりで何も生み出さない人もいる。どちらが立派な人かは明らかで、君は消費するだけでなく、自分の作り出せるものを見つけ、生み出していけるようになりなさい、といったものだったと思います。

感動を生み出す人と、「ありがとう」と言いつつ、もらうばかりで何の感動も生み出さない人。あなたはどちらの人になりたいと思いますか。残念ながら銀メダルに終わった渡部選手、今回多くの人の記憶には残らなかったかもしれない鬼塚選手。彼らも感動を立派に生み出してくれた人たちです。感動は成功だけから生まれるものではありません。あなたがこの一年目標に向かって懸命にがんばることで、たとえその結果がどんなものになろうとも、確かな感動があなたと、あなたのまわりの人たちに生み出されます。つい2日前の合格発表の日、それを感じとった僕だから胸を張ってそう言えます。

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