緊張を味方に(中学:塾だより5-6月号)

「あれ、この漢字どう書くんだっけ。」「よし、練習した問題が出た。これならいけそう。」「やばい、時間が足りない。急がなくちゃ。」

先月、千葉進研では今年度最初の模擬試験が行われました。試験監督をしていると、生徒たちの心の声が聞こえてくるようです。そしていつも感じるのが、テストのときはすごく濃密な時間が流れているな、ということです。1点でも多くとろうと、みんな必死に問題に食らいついています。そんな生徒たちの姿を見て感心するのと同時に、普段の勉強でもこれくらいの集中力をもって取り組んでくれたら、きっと劇的に成績が上がるだろうなあとも思ったりします。

 

模試の結果表もすでに手元に届いているかと思います。今年入塾した生徒にとっては初めての模試でしたが、結果はどうだったでしょうか。初めての模試で緊張してしまい、なかなかうまく実力を出せなかった人もいたのではないでしょうか。

たとえ実力があっても、試験本番で力を出し切れなかったら損をしてしまいます。特に今の中2以下の生徒たちは、公立高校入試が一本化され完全に一発勝負となるので、余計に本番に強いかどうかが重要になってきます。模試を通して、“試験慣れ”していくことも重要です。

生徒たちからよく聞くのは、「本番で緊張してしまい、パニックになってしまった。」という声です。緊張を克服することは簡単なことではありませんが、訓練によって少しずつ改善してくことは可能です。緊張に強くなり、本番でしっかりと実力を出し切れるようになるためにはどうしたらいいでしょうか。

 

よく言われるのが、『“緊張”=“悪いもの”という考え方を変える』ということです。確かに過度の緊張は冷静な判断力をうばってしまうので問題ですが、適度の緊張はむしろ集中力を高めてくれます。普段勉強している時と比べ、試験中の時間はとても短く感じることがあると思います。これはしっかりと集中できている証拠でもあります。

緊張をゼロにするのは不可能ですので、考え方を変えて、緊張感を“良いもの” として受け入れるのです。「やばい、緊張してきた。どうしよう。」ではなく、「よし、いい感じに集中できてきた。」と、とらえ方を変えることで、気持ちがだいぶ楽になると思いますよ。

 

そして、もう一つ重要なことが、『準備をしっかりする』ということです。準備が不十分だからこそ、余計に不安になってしまうという点は否定できません。

話が少しそれますが、私は学生時代、部活で陸上競技をやっていました。大会のレーススタート前、特に100m走など短距離走のスタート直前は緊張で心臓が飛び出そうだったことを今でも覚えています。ですが、よくよく考えてみると、スタートラインに着いたときにはもう、どれくらいのタイムで走れるかは、かなり決まっているはずです。もちろんスタートダッシュがうまくいくか、力み過ぎずに走れるかなどで、多少タイムは変わってきますが、例えば普段13秒で走っている人が急に12秒で走れる、ということはまずありませんし、大幅にタイムが落ちることもそうありません。スタートラインに着くまでに、いかに練習を積み重ねてきたか、そっちの方がはるかに重要です。

勉強も全く同じことがいえると思います。試験当日にいくらがんばっても、普段以上の実力が出せることはありませんし、そこまで極端に点数が下がることも考えにくいです。テスト当日までにどれくらい準備してきたかが如実に現れます。

 

では、しっかりとした準備をするにはどうすればいいかというと、それは『緊張感を次につなげる』ということです。

テストが終わると、今までの緊張から解き放たれ、自由な気持ちになります。もちろん、それまでの努力の見返りとして、その解放感を存分に味わうことも悪いことではありません。ただし、そこですべてが終わりになるわけではありません。また2,3か月後には次の模試があり、定期テストがあり、そして受験があるのです。完全に気を抜いてしまうと、また直前で慌てて準備をすることになり、不要な緊張を生むことにもつながります。1回1回のテストを単発のものとするのではなく、次につなげていくことが重要です。

そのためにも、模試の結果が却ってきたら、その結果をしっかりと受け止めましょう。どんな生徒も、テストで悪い点を取ってしまったら、ショックを受けるはずですし、反省もすると思います。ただどうしても、時間と共にその反省が薄れてきてしまいます。

結果が却ってきたら、なるべくその記憶が新しいうちに間違い直しをし、次のテストに向けての目標を立てましょう。

 

もうじき、中学校でも今年度最初の定期テストがあります。特に中1の生徒たちにとっては初めての経験ですので、きっと緊張すると思います。しっかりと準備をしてから臨みましょう。高校入試までに定期テストは11回あります。1回1回のテストを大切にしていけば、受験本番までにはかなり力がつきます。

 

入試当日のみなさんが問題を解く様子を見られないのは残念ですが、きっと今までで一番濃密な時間が流れることでしょう。その時に後悔しないよう、今のうちからコツコツと準備を進めていきましょう。

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