スイッチ(小学生:塾だより7-8月号)

小学校や塾(じゅく)では対面の授業(じゅぎょう)が再開(さいかい)され、少しずつ活気が戻ってきました。これまでとまったく同じ生活がもどってくるまでには、まだ時間がかかると思いますが、東京都の小池都知事の言う「ウィズ コロナ(コロナとともに)」の気持ちで、それぞれが新型(しんがた)コロナウイルスに気をつけた生活をしながら、元の生活リズムをとりもどしていくことが必要(ひつよう)です。
6月に学校が始まるまでの約2か月半、外にもほとんど出ず、同じ家の中で、来る日も来る日も過(す)ごしてした人がほとんどだと思いますが、6月に学校がはじまってから、勉強に集中できなかったり、つかれやすくなっていたりしませんか。でもそれは、今この文章を読んでいる君がわるいのではありません。かつて私は「週間が習慣(しゅうかん)を作る」という言葉を使ったことがありますが、人間の「習慣」は1週間もあればかんたんに変(か)わってしまいます。2か月半つづけてきた「ステイホーム」の生活を、学校がはじまったからといって、すぐにもとにもどしなさいという方がむずかしいのです。
そこで、今回はみなさんがもとの生活にもどるためのヒントについて書きます。もとの生活にもどるために、みなさんにはぜひ「スイッチ」を大切にしてほしいと思います。ゲームではありませんよ。休校期間、みなさんはゲームの「スイッチ」はやっていたけれど、日々の生活では「スイッチ」のない生活を送っていたのではないでしょうか。
話は少し変わりますが、このステイホーム期間に、テレワーク(自宅で仕事をすること)をした人に話を聞いたことがあります。そこでみなさんに「問題」なのですが、その人がテレワークでいちばんつらかったことは何だと思いますか。
仕事の道具がない?…いいや、パソコンひとつあれば仕事はできます。
会社の人に会えない?…いいや、今はオンラインで仕事の打ち合わせができます。
その人いわく、自宅で仕事をすると、「仕事の時間と自分の時間を区別(くべつ)できないこと」がいちばんつらかったそうです。
家で仕事をするので、パソコンを閉(と)じればそこで仕事は終了(しゅうりょう)。でも、そのまま「よし、今日の仕事終わり!」といって、じゃあベッドにゴロンとなる、テレビを見る、好きな音楽を聞く、という風にはすぐにはならないようです。すぐ目の前に仕事用のパソコンがあり、仕事用の机(つくえ)がある。そういう中で、かんたんに心の「スイッチ」は切りかわらないのだそうです。だから、ふつうに会社に行くよりむしろつかれてしまった、と言っていました。
みなさんもそうなのではありませんか。今までは「学校に行く」「塾に行く」「公園に行く」というように、様々な場所に行ったり、場所を変(か)えたりすることで、スイッチがきりかわっていました。3月~5月の間、「スイッチを切りかえる」ということをしてこなかったみなさんが、周り(まわり)の大人、学校の先生、習い事の先生、いろんな人から急にスイッチを入れられているのが今です。それではつかれてしまうし、集中もできないでしょう。
そこで、これからの生活では「スイッチ」を上手に使うようにしましよう。「〇〇をしたら勉強をする」とか「△△をしたら勉強は終わり」などのスイッチを自分の中に持つことが必要です。「うでをぐーっとのばしてストレッチしたら、勉強をはじめよう」これくらいのかんたんなものでいいです。逆(ぎゃく)に「宿題をやり切ったら、ふーっと深呼吸(しんこきゅう)をする」そうやって「お休みモード」へスイッチを切りかえることも必要です。
 朝から夜まで、何もかわらない景色(けしき)の中にいたみなさんには、今の目まぐるしい生活は少しシゲキが強いように感じることもあるでしょう。しかし一気にもどす必要はありません。少しずつ、少しずつ。ゆっくり、ゆっくり。心の中にはいつでも「スイッチ」を持ち続(つづ)けましょう。ゲームの方のスイッチは、本体と持ち運びできる部分を分けることができますね。これと同じように、がんばる自分と、がんばらない自分を、うまく切りかえて、新しい生活に少しずつ慣(な)れていきましょう。

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