「こころ」にゆとりを(小学生:塾だより9-10月号)

おぼん休みも過(す)ぎ、夏も終わりに近づこうかというとき、ふと外を歩いていると、近所の小学校からちょっとおそめの夏祭りの音が聞こえてくる。その音につられてふらっと立ち寄(よ)ってみると、すぐに子どもにもどったような気持ちになり、ついついかき氷なんかをひとつ買ってしまう・・・去年までどこにでもあった「夏の風景(ふうけい)」が、今年はまるで無(な)かったように思うのは私だけではないはずです。

「暑い」「短い」「どこにも行けない」そんな後ろ向きの言葉たちとともに、2020年の夏休みが過ぎ去っていったことが本当に残念(ざんねん)です。小学生のみなさんにとっても「休みは短かったけれど、やらなきゃいけないことはたくさんある」・・・そんないそがしい夏休みだったのではないでしょうか。

ところで、「いそがしい」は漢字で「忙しい」と書きます。「忙」という漢字は「心」をあらわす「りっしんべん」と、「亡(な)くなる」の「亡」からできています。人間だれしも忙しいときは、ついついだれかにきつくあたってしまったり、やるべきことに向き合えなかったり、まさに「心」が「亡くなる」状態(じょうたい)になってしまいます。そこで今回は、そうやって「忙しい」「忙しい」と言っているうちにいつしか心を失ってしまわないように、忙しい時ほど気を付けたい生活のヒントについて書いていきます。

 

  • 量(りょう)が多いものは小分けにする。

たとえばワンホールのケーキがあったとします。食いしん坊ならひとりで食べられるかもしれませんが、普通の人は、切り分けてみんなで食べます。宿題なども同じです。たくさんあるときはまとめてやらずに、「1日〇〇ページ」などに分けてやると楽です。1日で2時間かかるような宿題があったとします。いそがしい時に、1日2時間も使うのは大変です。しかしそれを早く始めて、毎日少しずつやれば、20分×6日で終わります。大少しずつ、時間をかけてやっていくことが大切です。

 

  • 「ゼロ」か「100」か、で考えない

「〇〇があるから勉強ができない」という人がいますがこれは本当でしょうか。〇〇には、習いごとやクラブの活動などが入るのだと思いますが、必(かなら)ずそのすきまの時間があったり、よく考えてみるとムダに使っている時間が必ずあったりします。君たちは若(わか)いのです。必ず両方できます。時間は作り出すものです。自分の持っている時間を見直し、バランスをとる工夫をしてみましょう。

 

  • 「あそび」のある計画を立てる

「ともだちと遊ぶ時間を作りなさい!」・・・という意味ではありません。残念ながら。「毎日〇〇をやる!!」という計画は、失敗(しっぱい)しやすいものです。なぜなら、たった1日でもやれない日がでてくると、「あーあ、きのうはやるの忘(わす)れちゃった」といって、やる気がなくなって、どうでもよくなってしまうからです。計画を立てるときは、「3日で〇〇ページ」とか、「1週間で〇〇ページ」とか、できるだけ長めの期間で、「余(よ)ゆう」や「予備(よび)」の時間=「あそびの時間」もふくめた計画を立てることが大切です。

 

このコロナ禍(か)で、多くの人が余ゆうのない生活を送っています。夏休みが短くなってしまったみなさんもそうでしょう。ギリギリまで自分を追い込んでしまう(=忙しい)と、かならず人間は「心」が「亡くなった」状態になってしまいます。【分ける】【バランスよくやる】【『あそび』を作る】、この3つを意識(いしき)して、いそがしい日々を元気に乗り切っていきましょう。

カテゴリーNEWS