小学生:制するもの

時を制するものが世界を制する(塾だより9-10月号)

 

先日、リオデジャネイロオリンピックが閉幕(へいまく)しました。日本のメダル数は金12、銀8、銅(どう)21となり、前回大会を大きく上回る結果となりました。ついつい夜おそくまでテレビを見てしまい、寝不足(ねぶそく)になった人も多いのではないでしょうか。
次は4年後の2020年、いよいよ東京にオリンピックがやってきます。そのときにはみなさんは中学生か高校生ですので、まだ選手として参加するのはむずかしいかと思いますが、国際(こくさい)的なスポーツイベントを身近に体験できる貴重(きちょう)な機会です。とても楽しみですね。

 

さて、4年後の2020年と聞いたとき、みなさんはどう感じるでしょうか。おそらく多くの人が、まだまだ先のことだと感じるのではないでしょうか。
しかし、オリンピックを目指すような一流のアスリートにとってはそうではないようです。早くも4年後の東京オリンピックに向け、動き出している選手たちもたくさんいるのです。
スポーツは実力がものをいう世界です。実力をつけるためには当然、長い時間をかけて練習をしていく必要があります。大会の直前にあわてて練習を始めるような選手が勝てるはずがありません。ライバルに差をつけるためには、時間を有効(ゆうこう)に使い、計画的に準備(じゅんび)をすすめることが重要だと、彼らは理解(りかい)しているのです。

 

そしてこれは、勉強についても同じことがいえます。たとえば、ふだんまったく勉強していない人が、テスト前日にあわてて勉強をしても、ろくな点数は取れませんよね。やはり計画的に勉強している人にはかないません。勉強もスポーツと同じで実力がものをいう世界ですので、限(かぎ)られた時間を有効に使い、計画的に進めていくことが不可欠(ふかけつ)です。

 

よく、「時間はみんなに平等に与えられる」といいます。たしかに時間そのものは平等ですが、時間の“価値(かち)”は平等ではありません。状況(じょうきょう)によって時間の価値は大きく変化します。例えば100m走なんかでは、100分の1秒の差で勝敗がつくこともめずらしくありません。そのときの0.01秒はまさしく値(あたい)千金(せんきん)の価値を持つわけですが、ふだんの生活の中では、0.01秒などという時間はほとんど価値がないといってもいいでしょう。

 

1日の中でも朝と夜とで時間の価値は変わってきます。朝は学校におくれないように急いで身支度(みじたく)をしなければなりません。ここでの1分間はとても貴重です。でも、これが夜になると時間はゆっくりと流れます。ソファーでくつろぎながらテレビを見たり本を読んでいたりするときの1分間などは、ほとんど意識(いしき)されません。同じ1分間でも、夜の1分間より朝の1分間の方が、価値が高いといえます。

 

ドラえもんの秘密(ひみつ)道具に「時間貯金箱」というのがあります。その名のとおり、時間を貯金するための道具で、ひまなときに時間を貯金しておいて、必要なときに貯めておいた時間を引き出せる、というものです。私は子どものとき、この道具がほしくてたまりませんでした。これがあれば、もし朝ねぼうしたとしても、貯金しておいた時間をおろして使えば、学校に遅刻(ちこく)しなくてすむのです。すばらしいと思いませんか。
でも実は、「時間貯金箱」なんてなくても、時間を貯金することは可能(かのう)です。どうすればいいか。それには、あとでやらなければならないことを前もってやっておけばよいのです。

 

たとえば、朝起きてから学校の持ち物をそろえるのではなく、夜にうちに前もって準備しておけば、朝にバタバタせずにすみます。これは夜の時間を貯金しておいて、朝使ったのと同じことになりますよね。早寝(はやね)早(はや)起(お)きをする、というのも、夜の時間を貯金しておいて、朝の時間をふやすことになるので、時間貯金と同等の効果(こうか)を発揮(はっき)します。

 

前もってできることをすませておくということは、時間を貯金するのと同じ効果が得られるのです。もちろん、朝ごはんを食べるとか、顔を洗(あら)うといった、あらかじめできないこともたくさんありますが、できることはできるかぎり事前に済(す)ませておくことで、かなりの余裕(よゆう)が生まれます。そのためにも、やはり計画を立てておくことがだいじなのです。

 

“計画をたてる”と聞くと、きゅうくつに感じる人もいるかもしれませんが、実は逆(ぎゃく)です。計画があった方が楽なのです。なぜかというと、計画がなければ、その都度(つど)その都度、何をすべきかを考え、決断(けつだん)していかなければなりません。これは非常につかれます。でも最初に計画さえ立ててしまえば、あとはそれにしたがって淡々(たんたん)と予定をこなしていけばいいだけです。時間を有効に使えて、さらになやまなくてすむのですから、計画を立てない理由はありません。

 

最初はうまく計画を立てるのはむずかしいかもしれませんが、何ごとも慣(な)れです。だんだんとうまくなっていくはずです。今年の夏休みも、結局8月の終わりにあわてて宿題を終わらせたという人も、来年の夏こそは計画的に過(す)ごせるよう、今のうちから少しずつ練習していきましょう。

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