中学生:可能性

可能性はかけ算(塾だより7-8月号)

 

先日、Eテレの「たすけて!きわめびと」という番組で、運動会で速く走るというテーマをやっていました。はじめに、速く走るポイントとして、「正しい体の動かし方を理解すること」があげられていました。ビデオを見て簡単な説明を受けた30分だけで、一歩も走らなくても50m走のタイムが良くなった子が9人中5人も出たことにまず驚きました。さらに印象的だったのは、「速く走るようになる」という目的のために、カヌーをこいだり、竹馬をやったり、相撲をとったり、またその他のいろんな運動を毎日少しずつやっていたことです。「走る」という単純な運動ですら、体のいろんな動きからなりたっていて、その動かし方を脳に覚えさせ、体を上手に動かせるようになれば速く走ることができるのだということでした。運動ができる子はこれまでにいろんな動きを経験し、それらが小脳にインプットされているのだそうです。

 

みなさんは今、いろんな学習をしていますね。「なんでこんなことを勉強しなければならないのだろう」と思うこともあるかもしれません。確かに人によっては、勉強していくことの中に、大きくなってからまったく使わないような知識もあることでしょう。それでも、みなさんが今やっていることには十分すぎるぐらいの価値があると思います。

 

中学校で勉強することは、本格的な専門的学習の入り口です。ここで「正しい頭の使い方」を理解し身につけるだけで、これからの人生を確実にいくらか楽しく楽なものにすることができます。人生は50m走よりもずっと複雑でおもしろいものです。ちょっとした知識があるだけで、いろんな人たちや物事、場所とつながる可能性ができます。たとえ苦手な内容だとしても、あなたがきっちり努力して克服することができれば、その経験はあなたの脳に蓄積され、一見まったく関係がなさそうな問題が起こったとき、あなた自身さえ気づかないうちにあなたを助けてくれるはずです。

 

大切なのは、今の自分にできる範囲でやりきることです。あなたが自分の意志でやりきったものは、そのまま、あなたの可能性になります。可能性とはあなたが手にする将来の選択肢のことです。知らないことは選べません。たとえ今はできないと知っていても、「できるようになりたい」と思えればその道を選べます。数学で「場合の数」というのがあります。選択肢が増えると、その組みあわせ方はかけ算で増えます。体の使い方を脳にインプットするように、若いときにいろんな頭の使い方を経験し鍛えておくことで、将来できることはかけ算で増えていきます。ですから、簡単にあきらめないでください。

 

今、苦労していることにも、もう少しでいいから向きあってみてください。上手くいかないときですら、あなたの経験はしっかりと脳に刻まれ、あなたの未来を切り拓いているのです。

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