小学生:正しいこと

正しいことをする(塾だより3-4月号)

 

先日、祖母を病院に見舞った。大正生まれの95歳。つい最近まで夏でも畑仕事をし、自分で作った野菜や果物をひ孫に振る舞う働き者のおばあちゃんである。年末に倒れ、左半身に麻痺が残った。電話で話には聞いてはいたが、世界でいちばん大切にしてくれていた孫の顔を見ても、誰だか分からなくなっているのを目の前に見て、厳しい現実を思い知らされた。起き上がるもできない祖母が、酸素マスクごしに私の息子に言った。

 

「間違ったことをしないで、いつも正しいことをするんだよ」
子どもや孫の顔が分からない状態ですら出てきたこの言葉は、きっと祖母の精神の中心に長い間あって、彼女をずっと動かしつづけてきたものなのだろう。その生き方を見ていて、私にはその言葉に偽りがないことがわかった。だからこそ、この言葉は私の心にしっかり届いた。

 

勉強をすることはつらいし決して楽ではない。でも、勉強をすることは「正しいこと」であると私は思いたい。勉強をすることで、我々は自分のことを知ることができる。思いきりやってみることで、自分が本当に得意なものや苦手なものが分かる。世の中を知らない我々が、自分のまわりのことを知ることで、やれることややりたいことが見えてくる。それは自分の未来の可能性を拡げることになる。本当に「正しいこと」は正しい知識に基づいて判断されるべきである。

 

我々が勉強をするのは、自分のためだけではない。様々な勉強をすることで、我々は他の人を助ける技術や能力を習得する。そして世の中の役に立ち、他人を助けることができるようになる。人の役に立てるからこそ、私たちはその対価として収入を得る。社会に貢献できることほど、「正しいこと」はない。

 

また、人は新しい刺激を求める動物である。だから新しい知識を得ることは、人間の本性にかなっている。人にやらされてやることが多いから、その喜びを知る機会は少ないかもしれない。だが、「知りたい」という欲求は私たちの中に確実に存在している。その性質にそって学ぶことは、「正しいこと」に間違いない。

 

一生懸命勉強することが「ガリ勉」と言われて悪いことのように言われることがある。しかし、これまで述べてきたように勉強することは、全く正しいことであると思う。やらないことで、自分の才能に自分自身でふたをしてほしくはない。この一年、この「正しいこと」を思いきりやってほしい。勉強をしすぎて後悔することは、まずないはずである。

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