勉強の手順(中学:塾だより5-6月号)

学校の定期テストは、内申に大きく影響するわけですからとても大事です。そして定期テストの先にあるのは高校入試です。

ここで注意しなければならないのは、普段、目先の定期テストのことだけを考えて勉強していると、肝心の高校入試で良い点が取れないかもしれないということです。

定期テストでは学校のワークからたくさん出題されるので、ワークを完璧に覚えるだけでも、ある程度良い点が取れます。また、暗記ものはテストの前日に全部まとめて覚えた方が効率が良いように感じて、そうしがちです。

ところが、高校入試の方は、この方法は通用しません。

たとえば数学は、高校入試では別々の単元が混ざった多様な問題が出題されるので、入試のための準備としては、学校のワークだけでは足りません。

また、慌ててたくさん詰め込んだ記憶は、繰り返さないとすぐに忘れてしまいがちです。「定期テストが終わったら全部忘れる」という人はこのパターンです。

目標が定期テストだけになったまま中学校の3年間を過ごしてしまうと、高校入試で自分が思うほどには点数が取れない、という事態に陥(おちい)ってしまいます。

それを防ぐためには、定期テストのための勉強以外にも、普段から様々な問題に触れておくことが大事ですが、それは普段の塾での授業と模擬試験で実行できています。また、暗記ものは定期テスト前日だけでは間に合わないはずですので、もっと前から少しずつ覚えて繰り返しましょう。一番良いのは、新しいことを学習したその授業中になるべく覚えて、後日、覚えているかどうか、自分で確認テストをすることです。そこで覚えていなかったものだけを覚え直します。これを数日ごとに繰り返します。これをしていくと、テスト前日には、確認をする程度でよくなります。しかも、そうやって繰り返した記憶は定着しやすいので、確実に自分のものになっていきます。このように日頃から着実に身につけた知識は、高校受験のときに必ず役立ちます。そしてこれこそが、最も効率の良い受験勉強なのです。

高校入試での得点力を推し量ることができるのは、模擬試験です。模擬試験はテスト範囲が広く、入試のように複数単元の融合問題も出題されます。模擬試験で好成績が取れるようになれば、高校入試でも高得点が取れるはずです。

高校入試では内申も入試の得点もどちらも大事です。日頃から定期テスト範囲の勉強をしつつも、常に高校入試を念頭に、その場しのぎにならないやり方を実行するようにしましょう。

以下に、普段からの勉強の手順を書いておきます。

学校のワークや必修テキストは普段から

塾や学校で学習したら、学校のワークや塾の必修テキストのその範囲の問題をすぐに解きます。そして、しばらくしてからもう一度解いてみましょう。そのときに間違えた問題に印を付けておき、テスト前にその印のついた問題だけ解きます。間違えた問題にはまた印を付け、そこだけ再度解きます。こうすることで記憶が定着し、定期テストだけではなく入試にもつながります。

プリントもやる

塾で定期テスト対策のプリントをもらったら、それも解いて覚えましょう。プリントをもらう頃には学校のワークを終わらせておきましょう。これが出来たら、成績は必ず上がるはずです。

模擬試験前にはその範囲の復習をする

これをすることで、定期テスト勉強で勉強したことを覚え直すことにもなり、記憶を確固たるものにします。

テスト返却後には必ず見直しと解き直しをする

定期テストも模擬試験も、答案を返却されたら間違えた問題の解説を読み、もう一度解きましょう。これがとても大事です。そうすることで、次に同じような問題が出たときに解けるようになります。もしも解き直しをしなかったら、次にもまた同じ間違いを繰り返してしまいがちです。

<中3生へ>早めの時期に苦手の克服を

苦手教科や苦手分野がある人は、夏休み前や夏休み中などのなるべく早い時期にその苦手克服をしておきましょう。問題集を解いて解説を読み、理解したり覚えたりします。早ければ秋頃から、総合問題や入試の過去問を解いていきますので、その前に苦手をなくしておくのがベストです。