私立対策講座を利用する(中3:塾だより11-12月号)

私立受験校の傾向と対策を知ることで的を射た入試準備ができる!

11月に入り、中3生のみなさんにとっては、受験校決定の時期になりました。もうどこの高校を受験するか決まりましたか? 
私立高校は、日程さえ合えば複数受験できますので、前期・後期併せて、2~3校程度は受験する生徒も多いと思います。受験校決定にあたって、大抵は“偏差値”を難易度の目安として受験校を選んでいることでしょうが、実は難易度を左右する要因が他にもあります。それが、“選抜方法”と”傾向“です。

私立高校の“選抜方法”とは

千葉県の私立高校では、前期入試で併願推薦をおこなう高校が多く、しかも内申点が基準をクリアしていればほぼ100%近い確率で合格してしまうケースが殆どです。併願推薦をおこなわなくても、“併願確約”のような形でほぼ100%合格が約束される高校もあります。これらの高校の場合、難易度は“内申点”の基準の高さです。後期中間テスト(2学期期末テスト)まで頑張って内申点の基準をクリアすれば、あとは特に対策をおこなわなくても合格してしまいます。ただし、高校によっては“足切り”といって、基準とする得点よりも低い場合は不合格にする場合もありますので、安心しきってしまうのは禁物です。筆記試験が特奨生・特待生の選抜を兼ねている場合は、特奨や特待が取れるように、筆記試験に向けて実力をつけるべく頑張りましょう。志学館、市原中央、千葉敬愛、敬愛学園などの高校の併願推薦がこれに当たります。また、入試の得点が高ければ、レベルの高いコース(特進コースや選抜コースなど)で合格できる高校もかなりあります。

近年の私立高校は、前期入試でほぼ受験者を確保できるため、前期入試だけを実施し、後期入試は実施しない高校も多いです。また、後期入試を実施する高校でも、たいていは、前期が併願“推薦”(推薦書を出す、内申点の基準があるなど)、後期は一般入試の併願(筆記試験のみなど)というように、前期のほうが有利な場合が多いので、受験するにあたってしっかり情報を集め、ちゃんと調べることも大切です。

併願推薦を実施せず、従来通り、一般入試の筆記試験の得点で合否を決める高校はどのような高校かというと、多くはレベルの高い高校です。県内では、渋谷幕張、昭和秀英、市川、日大習志野などが、これに当たります。一般入試の筆記試験で合否が決まる高校の場合は、過去問を解くなどの受験準備をおこなう必要があります。ところが、過去問を解く段階になってみるとわかると思いますが、実際には、“偏差値”だけではなく、その高校の出題の“傾向”ということも難易度に関わってくるのです。

私立高校の“傾向”とは

もう少し詳しく説明しましょう。“傾向”による難易度は、ある生徒にとっては、やりにくく難しく感じるが、別の生徒にとっては、馬が合うというか勉強しやすく感じる、というように、人によって若干難しさが違ってきます。数学で確率が出ないとか、英語で発音の問題が出るとか、国語で選択肢の問題が多いとか、そういうことです。また、例えば偏差値が50の私立高校どうしを比較してみても、偏差値60くらいの問題が出題されている高校もあれば、相応の50の問題で構成されている高校もあります。これが、高校によって“傾向”が異なる、ということなのです。

したがって、受験する私立高校が決まり、選抜方法に筆記試験があったら、その高校の“傾向”に合わせた受験準備をする必要があります。その高校の過去問をやり、その高校で出題されそうなことを知り、出題されそうなことを勉強し、自分の弱点を強化するのです。過去問をやりまくることは本当に効果があり、合格に近づきます。市販されている過去問では多くても6年間分くらいしか収録されていませんから、塾の先生に頼んで、それより古い過去問を借りたり、プリントにしてもらったりしてやりましょう。また、多くの私立高校では、受験生の偏差値よりも難し目の問題が出題されています。しかし、100点満点で100点を取る必要はないのです。高校によって65点取ればよいとか、70点以上を取るようにするとか、目標とする点数も違います。難しい問題を避け、確実に得点できる問題を選んで解いていき、しかも制限時間内で目標点をクリアする練習も大切です。自分の受験する高校で何点くらい取れば合格できるのか、を知った上で過去問に取り組んでほしいと思います。市販の私立過去問には、年度ごとの合格最低点が載っているものもありますので、活用しましょう。自分の得点を表やグラフにして“見える化”するとよいです。

塾でも、私立高校ごとの傾向を研究し対策を考えています。特に対策が必要な筆記試験のある主立った私立高校については、私立入試直前に「私立高校別対策講座(補習)」をおこないます。その高校の出題傾向、来年度の入試で出題されそうな問題、どこで点を稼いでどこで敬遠するかなど、その高校の入試過去問に即した内容でおこなわれる講座です。詳しくは各教室でご案内しますが、これにぜひ参加しましょう。合格するために具体的に何をすればよいかが見えてきます。的を射た入試準備で合格を近づけましょう。