宿題。正しくやらないと(小学生:塾だより5-6月号)

「もっと面倒(めんどう)」に!?

いつも出される宿題。どんなふうにやっていますか? 

ノートを見ていると、ノートから「なんだかメンドーだな」という声が聞こえてくることがあります。走り書きでぐしゃぐしゃだったり、ひどいと最初(さいしょ)から答えをまる写しだったり…。確(たし)かに、他にもやりたいことがいっぱいあるなかで宿題をやるのは大変(たいへん)だけど、きちんとやらないと後でもっと面倒なことになってしまうかも。

そもそも人間は多くのことを忘(わす)れてしまうものです。忘れたいことと忘れたくないことをちょいちょいと選(えら)ぶというわけにもいきません。ついさっき授業(じゅぎょう)で勉強したことは、明日には半分も覚(おぼ)えていません。ひと月もすれば、きれいさっぱりどこかに消え去ってしまいます。

そうなると忘れてしまったことはもう一度勉強し直しです。時間をかけて勉強したはずのことがゼロからのスタート。すごくもったいないですよね。

だから宿題で復習(ふくしゅう)するのです。その日のうち(または翌日(よくじつ))くらいに一回、一週間くらいを目安(めやす)にもう一回復習すると、長く覚えていられます。さらにひと月・半年など定期的(てき)に復習するとその記憶(きおく)は一生ものになります。

宿題はまた、練習でもあります。スポーツや楽器(がっき)と同じで勉強も練習が必要です。とくに勉強では、「わかる」ことと「できる」(じぶんで解(と)ける)ことは別(べつ)のことのときがあります。できると思っていることでも、何度もくり返し練習することで初(はじ)めて身につき、失敗(しっぱい)を少なくできるのです。

もちろんできないことをできるようになることも大事な練習です。そのために丸付けをていねいにやりましょう。そして必ずもう一度、あるいはできるまで挑戦(ちょうせん)してみましょう。ただ答えを写すだけではスポーツ「観戦(かんせん)」や音楽の「鑑賞(かんしょう)」と同じです。それだけで自分の力でできるようにはならないのです。それに、あとで復習するときに丸付けや解(と)き直しをていねいにやっていればチェックが楽です。のちのちの手間を減(へ)らすことにもなりますよ。

最後(さいご)に、宿題は計画的にやりましょう。とはいっても「次の授業までにやればいいや」とか、「直前の30分でやっちゃおう」というのは計画とは言いません。具体的にいつやるのか、またよゆうをもって計画をたてましょう。計画には障害(しょうがい)がつきもの。いきなり他にやらなければいけないことがでてくることもめずらしくありません。そして、次の授業の直前に少し見直しをしてみましょう。(ちょうど復習の目安である一週間ですね)計画をたててやってみることでだんだん時間の使い方や作り方がうまくなっていきます。しっかり勉強しながらもしっかり遊ぶ。そういう生活を自分でつくっていきましょう。