面接・作文・小論文に備えて(中1・2生:塾だより11-12月号)

公立入試の2日目の試験では、多くの学校で面接あるいは作文・小論文が実施されます。高校側が、学力検査だけでは分からない、受験生の人柄や考え方を判断するためです。

 

面接や作文の配点、評価方法などは各学校のホームページに載っているので、自分が受験する高校については調べておきましょう。

 

ここでは具体的に注意すべき点について挙げておきます。

【面接】

面接で採点者がチェックする項目は主に以下の3つです。

  1. 身だしなみ
  2. 礼儀、態度、話し方
  3. 質問の答えの内容

①や②は基本的なことばかりです。

①身だしなみ

 

第一印象は非常に重要です。人の印象は最初の数十秒でかなり決まってしまいます。

髪型や服装は学校で注意されていると思いますが、校則に従った適切な格好で臨みましょう。

②礼儀、態度、話し方

 

返事や挨拶、入室・退室の仕方は当然チェックされます。

 

「どうぞ」と言われる前に勝手にどっかりと座ってはいけませんし、「よろしくお願いします。」「失礼します。」「ありがとうございます。」などの言葉も忘れないようにしましょう。

 

また、しっかりと背筋を伸ばす、目線(キョロキョロしたり下を向いたりしない)、明るい表情、はきはきと相手に届くような声量で話す、きちんとした言葉遣いをする、といった点にも注意しましょう。

自分が話す時だけでなく、他の人の話を聞いている時も気を抜かないことが大切です。

③質問の答えの内容

 

残りは質問に対する答え方です。面接でよく聞かれる質問には以下のようなものがあります。

 
 

●志望動機

●中学校時代に頑張ったこと・一番印象に残ったこと

●高校に入学してから頑張りたいこと

●将来どんな職業につきたいか

●最近気になるニュース

●感動した本と感想

●自己アピール

志望動機や今後についての質問は、本人が明確な目標を持ち、それに向かって忍耐強く努力していける人間なのか、意欲的に物事に取り組んでいける人間なのか、といったことを見極めるためのものです。

 

志望動機は「家が近いから」「校舎が新しいから」などではなく、学校の中身について答えてください。

 

また、中学校時代に関する質問は、自信を持って自分のやってきたことを伝えられるかという点、また価値観や人間性を判断する指標になります。

 

さらに、ニュースや本についての質問からは、身の回りのことに関心を持ち、かつ自分の問題として考える力があるのか、といったことを知ることができます。

 

なんだか大変なことのように思うかもしれませんが、そんなことはありません。

誠実に1つ1つの質問に向き合い、明るくはきはきと答えれば大丈夫です。

心配はいりません。当日は緊張してしまうかもしれませんが、上記の答えは準備ができるものです。

事前にしっかり準備をし、何度も口に出して練習しておけば、当日の不安も減るはずです。

 

緊張しすぎず本番に臨みましょう。

【作文(小論文)】

作文や小論文は、学校によって課題は異なりますが、おおむね時間は50~60分、字数は600~800字程度が多いです。原稿用紙でいうと1枚半から2枚を限られた時間内に書きあげないといけないのです。

作文・小論文の評価ポイントを以下に示しておきます。

 
 

【内容面】

●テーマ・条件に沿っているか。

●自分の意見や考えが分かりやすく書かれているか。

●内容に一貫性があるか。

●段落の分け方や構成は適切か。

 

【形式面】

●制限字数を守っているか。

●原稿用紙の使い方は正しいか。

●文体はそろっているか。

●誤字脱字はないか。

●主語と述語の関係、接続語や指示語の使い方は適切か。

 

最も気をつけるべき点は条件です。

 

条件を満たしていないものは採点の対象にならないと思ってください。

複数書くべきことが提示してあるのに1つ不足している、というのはよく目にします。

 

まずは落ち着いてじっくりと問題を読み、条件のとりこぼしがないようにしましょう。

そして、出題者の意図をとらえてから次に進みましょう。

まず制限字数についてですが、「○○字~□□字」ならその通りなのですが、できるだけ上限近くを目指しましょう。

 

多くの高校ではこのタイプの出題がされています。

もし、「○○字以内」という場合は、9ぐらいを目指しましょう。

少なくても8割以上は書き、8割は切らないようにしましょう。

 

「〇〇字程度」なら、プラスマイナス1が適切です。

もちろん、「○○字以内」という場合、1字でもオーバーしてはいけません。

 

次に内容についてです。

問題に目を通した後すぐに書き始めるのはおすすめしません。

 

作文や小論文は、途中で大幅に修正することは不可能です。

だからこそ、書き始める前に全体像を考え、メモしておく必要があります。

 

段落はいくつにするのか、どんな内容を書くのか、流れはどうするのか、各段落にどのぐらい字数を使うのか、などを、ざっとでよいので、問題用紙の余白に箇条書きしてみましょう。

 

書き始めるのはそれからです。

 

段落構成は、指示があればもちろんその通りにしなければなりませんが、明確な指示がない場合は、

 

序論・本論・結論の3段落構成か、

 

問題提起・意見・展開(理由・具体例・体験・見聞など)・結論の4段落構成がよいでしょう。

 

押さえてほしいポイントは、意見を述べるときに「具体例」「体験・見聞」「理由」を盛り込むということです。

 

「○○についてどう思うか」という質問に対して、「自分だったらどう考えどう行動するか」「身の回りでテーマに関連してどんなことを見たり聞いたり体験したりし、どんなことを考えたか」など、自分のことに引きつけて意見を述べるというのが必須です。

 

採点者である高校側は、みなさんがテーマに対してどれぐらい自分の問題としてとらえ、適切に表現できるかを見極めたいのです。

 

そして、まとめも重要です。まとめがなく唐突に終了する人、最初に書いたことと全く同じことを繰り返す人がいます。それまで書いたことを踏まえ、前に書いたのとは違う表現で自分の意見を簡潔に書きましょう。

 

最後に、文体がそろっているか

 

(「です・ます」調か「だ・である」調どちらかに統一されているか)、

一文が長すぎないか話し言葉や流行語・略語になっていないか、

 

などは基本のようで意外とできていない人が多い項目です。

 

書いている最中はもちろん、書き終わってからもしっかりチェックするようにしましょう。

 

文頭の「なので」も大変多い間違いです。「だから」「したがって」などを使うようにしましょう。

 

作文や小論文のテーマについては、昨年度のものは塾の資料に載っていますし、それより前の年度のテーマについても、塾の先生は情報を持っています。

本番前に何度か練習して添削してもらうとよいでしょう。

内容がずれておらず、条件を守っていれば、心配することはありません。

 

何度か訓練をすることで自信をつけ、落ち着いて本番に臨んでください。