「質問できる子」になろう(小学生:塾だより9-10月号)

 以前、じゅく内の中3生(78名)にアンケートをとったことがあります。

「はい」……88.5%、「いいえ」……11.5%。

  何の数字だと思いますか。これは、「最近さいきん2週間以内いないに、先生に質問に行きましたか」という問いに対する回答の割合わりあいです。

さすが中3生。意欲的いよくてきに質問をしに行く生徒せいとが多いようですね。

 

 みなさんはどうですか。最近、質問をしに行きましたか。おそらく、「いいえ」と答える人が多いのではないかと思います。

今、心の中で「いいえ」と答えたあなたに質問です。質問に行かないのはなぜですか?

みなさんを見ていると、何かかんちがいしているな、と思うことがあります。

「質問をしに行ったら、先生やまわりの生徒たちに、授業の内容ないようをきちんと理解りかいしていないと思われるのではないか」

「授業だけで理解できる子がかっこいい。質問するなんて、はずかしいことだ」

 心のどこかで、そんなふうに思っているふしはありませんか。だとしたら、それはとんでもない誤解ごかいです。

 アンケートをとってみて、実はもう一つ、興味深きょうみぶか結果けっかることができました。次の表を見て下さい。

これは、「ふだん、どのくらい質問をしますか」という問いに対する回答を、クラスべつに集計したものです。

対象たいしょうの中3生は、学力別に3H、3A-1~5の6クラスに分けられていました。

 表を見ると、「月に10回以上いじょう質問する」と答えた生徒は3H/3A-1・2の上位じょういクラスで12人(31.6%)いるのに対し、3A-3・4・5クラスでは0人(0%)です。


 それとはぎゃくに、「質問に行かない」と答えた生徒は、3A-3,4,5クラスに5人(12.5%)いますが、3H/3A-1,2クラスでは0人(0%)でした。


 また、3A-3,4,5クラスの生徒のうち、半数以上にあたる22人が月0~3回程度ていどの質問回数にとどまっているのに対し、3H/3A-1,2クラスでは8割近くの30人が月4~10回以上質問に行くと回答しています。


 これらの結果から、学力の高い生徒ほど、よく質問をする傾向けいこうにあることがわかります。学力の高い生徒というのは、「点数の取り方を知っている生徒」でもあります。わからないことがあったら、質問をする。これがいかに大切なことであるか、よくわかっているのでしょう。

「質問をする生徒」というのは、「授業の内容を理解していない生徒」ではありません。

 「授業の内容をより深く理解するために、何をするべきか理解している生徒」なのです。

 

 質問をすることは、はずかしいことではありません。むしろ、わからないのに質問をせず、わかったふりをしてしまうと、あとあと本当にはずかしい思いをすることにもなりかねません。


 あなたもそろそろ、「質問できない子」を卒業そつぎょうしませんか。まだ一度も質問をしたことがないという人は、一度思いきって質問に行ってみましょう。きっと先生も、「とうとうこの子も、自分から質問に来られるようになったか」と、よろこんで教えてくれるはずです。