英検で英語を学ぶ(中学生:塾だより3-4月号)

新年度です。新中学1年生は入学おめでとうございます。新中学2・3年生は進級おめでとうございます。学校や学年が上がると、気持ちも新たになりますね。
この文章を書いているのは3月上旬ですが、ロシアのウクライナ侵略によって、世の中は大きく動いています。このロシア・ウクライナ戦争(露宇戦争?)は数年後に歴史の教科書に確実に乗るレベルの重大事です。2年前からのCOVID-19の大流行もまた、時代を変える出来事ですが、歴史の変わり目がどういう風なのか、よく目に焼き付けてください。
(同時に、それ以外のニュースにも目を向けるのも大事です。みんなが目立つニュースに目を引き付けられている間によからぬことをたくらむ人はいます)

さて、そうした世の中で起きていることについてよく知るには、日本の新聞やテレビの情報だけでは足りません。アメリカのCNNやNewsweek、イギリスのBBCといった海外のメディアに触れることで、より深く社会について知ることができるでしょう。
特に大事なのは、日本のメディアが注目していない出来事です。人間は「ない」ことに気づくのはとても難しいです。価値観の違う海外メディアは、それを気づかせてくれると思います。
こうした海外のメディアのウェブサイトには日本語の翻訳もありますが、記者本人の伝えたいことをしっかり理解するには、原文、つまり英語で読む必要があります。
世界をよく知るためにも英語は必要なのです。

英語の記事なんて難しそうと思うかもしれません。しかし、大体中3レベルの文法がわかれば、新聞記事は読めます。
もちろん、難しい単語はたくさんでてくるので、辞書は必要です。英語の文法は高校1年生くらいで一通り習うと思いますが、そこから先は単語との戦いだと思います。

英語を得意になるためには、当たり前ですが、英語の勉強が欠かせません。そして、勉強をするなら、勉強をする目標があると、やる気が出て上達しやすくなります。みんなに共通する目標としては、学校のテストや模試、そして高校入試があります。しかし、他にも英語を勉強する目標として利用できるものがあります。それが英語検定です。

英検は英語を勉強する動機としてうってつけです。英検の勉強をすることで、単語の知識を増やし、リスニングにも慣れることができます。それらの勉強は、最近の定期試験や高校入試の英語の勉強に大いに役立ちます。
昨年度から教科書が新しくなり、登場する単語の数が増えました。中3修了までに2500語。これは英検準2級レベルの単語数です。また、最近の千葉県の公立高校入試では、リスニングの配点が30点強と、リスニングがとても大事になっています。英検の勉強を通じて、中学校のテストや高校入試の英語の勉強ができるのです。
例年、ある程度難しい高校(市立千葉以上)を受ける受験生は、ほぼ全員が英検準2級を持っています。これは、英検準2級を持っていると一部の私立高校の入試でほんの少し優遇してもらえるからというよりも、英語の勉強の一環として英検を利用しているからです。
しかし、英検の勉強をする上で、気を付けないといけないことがあります。それは、英語をほとんど書けなくても、英検に受かってしまうことができるということです。英検3級や準2級では作文もありますが、だいたい型が決まっているので、作文が原因で不合格となることはほとんどありません。そうしたことから、英検3級を持っているのに、テストの点数はいまいちという中学生を見ることは、決して珍しくありません。
千葉県の公立高校入試では、毎年単語を書かせる問題が数問出題されます。今年は、dangerous(危険な)、delicious(おいしい)、famous(有名な)といった、つづりの長い難しい単語を書かないといけませんでした。見て意味がわかる程度、また「デンジャラス」「デリシャス」「フェイマス」という読み方がわかる程度では不十分です。正確に書けないといけません。

では、どうすれば、良いのでしょうか。
大切なことは、英検を利用して英語を勉強するということです。
例えば、知らなかった単語を書いて練習するというのは、シンプルながらもとても効果的です。筆記試験の大問1は( )内に入る単語を4つの選択肢から選ぶ問題ですが、正解以外の単語もぜひとも書いて使えるようになってほしいです。その単語は使います!
また、長文問題にしっかりと取り組むことで、模試や入試の長文にも対応していくことができます。いつも、本文の何行目を使えば問題を解けるのか考えて、問題をやりましょう。間違え直しのときには、国語の長文問題と同じように、本文に線を引っ張ってみましょう。丁寧に間違い直しをするのを繰り返していくと、必ず上達していきます。
英検は英語を勉強する目標として有効ですが、あくまで英語を上達するための手段です。
英検を利用して、英語を上手になってください。そして、英語を利用して、あなたができることを増やしてください。