「当たり前」のことをキッチリやれる人は 意外と少ないから、そういう中学生になろう(中1・2:塾だより7-8月号)

これから「定期テストや塾内模試の間違い直しが大事」というメチャクチャ当たり前のことを述べる。(レベルの低い話でごめんなさい。)大昔に、数学を学習していたエジプトの王に対して、古代ギリシャのある数学者が「学問に王道なし」と言ったそうだ。「王道なし」とは、王様専用の近道なんか存在しないですよ、という意味である。当然、学生の勉強にも近道はないから、これから極々当たり前の話をしようと思う。

① 定期テストの間違い直し・解き直し

中学校で定期テストの間違い直しの宿題が出ていれば、もちろん間違い直しをするでしょう。しかし、もしそういう宿題が出ていなければやらない人が多いかもしれない。だが、たとえ宿題になっていなくても必ず定期テストの間違い直しをしよう。間違い直しをする一番の目的は「純粋な学力アップ、次回のテストで得点アップするため」だが、 定期テストの場合はもう一つ目的がある。それは「問題形式や出題傾向をつかむため」である。定期テストは、中学の先生が一人で問題作成されている場合が多い。中学や教科によっては、試験問題にその先生の「特徴」や「癖」が出るかもしれない。キッチリ間違い直しをして知識を増やす、それに加えて試験問題の傾向をつかむことが、次の定期テストで成功するカギとなる。

② 塾内模試の間違い直し・解き直し

模試の間違い直しは、数学に関して注意点がある。それは「極端な難問については、間違い直ししない方が良い」ということだ。定期テストと比べて、塾内模試は高校入試を意識した問題形式・出題傾向であることが多い。そのため、模試では「大半の生徒が間違える難問」が出ることが多い。特に数学でその傾向が強いので、注意が必要である。まずは、塾の先生に数学の質問をドンドンしよう。その時に「これは難問だ」とか「これは解けなくてもいいよ」とか、的確にアドバイスしてもらえると思う。

一方、英語は数学よりも平均点が高い場合が多く、高得点が取りやすいため、解けなくてもいい難問が少ないと思う。前段のアドバイスはあくまで「数学限定」なので、手抜きをしないように気を付けてほしい。

「当たり前」のことをキッチリやれる人は意外と少ないから、そういう中学生になろう…というタイトルで書き始めたが、そもそも一部の生徒たちは定期テストや模試の間違い直しをやっている。見えない所で。私の大学時代の同級生に、帰国子女の人がいた。高校卒業までアメリカ暮らしだった。その人が「なんで日本人は『勉強してないよ~』と嘘をつくんだ!(実際は、裏でメチャクチャ勉強してるじゃないか!)」と文句を言っていたのを、今でも覚えている。実は頑張って勉強している人が本当に多いと思う。

ここまで極々当たり前のことしか私は述べていない。もちろん今後も塾の授業では「良く出るポイント」みたいなことを教えていくが、それでも最終的には「学問に王道なし」である。人間という生き物は過去の誤りから学ぶものであるから、どうしても間違い直し・解き直しが学力アップのカギになる。