漢検で勉強を上手になる(小学生:塾だより9-10月号)
千葉進研では毎年10月末に小学生が漢字能力(のうりょく)検定(けんてい)を受けています。9、10月には毎週、みんなで漢字の練習をがんばっています。去年漢検を受けた人も、今年が初めての人も、全力で漢字に向き合ってください。
ところで、なぜ漢検を受けるのでしょうか。
まず、漢字は色々な所で役に立つからです。国語だけでなく、算数や理科、社会の勉強でも、漢字はたくさん登場します。色々な漢字を読めたり書けたりすると、勉強がより得意(とくい)になれます。もちろん、将来(しょうらい)働(はたら)くようになってからも、漢字はいつでも使います。
また、漢字を覚(おぼ)えるという経験(けいけん)を通して、暗記の練習ができるというのも、漢検の練習をする理由の一つです。小中学生の勉強で大切なことは、暗記です。理科や社会の用語に英(えい)単語(たんご)、もちろん漢字も覚えないといけないものが、どんどん出てきます。考えるというのも大事ですが、ちゃんと考えるためにはある程度(ていど)の知識(ちしき)が必要(ひつよう)です。そうしたことから、漢検本番という目標(もくひょう)に向けて漢字を覚える練習をすることは、これからの勉強の予行演習になるのです。
漢検では色々な種類(しゅるい)の問題が出題されます。その中でも、大事な順番(じゅんばん)、勉強しやすい順番は以下の通りです。
- 読み問題、書き問題
- 熟語(じゅくご)の構成(こうせい)(小5以上)、音訓(おんくん)の問題
- 書き順(じゅん)、部首の問題
漢字が苦手な人は、1→2→3の順番で、できるようになっていってほしいです。それぞれの内容(ないよう)についてお話しします。
1. 読み問題、書き問題
一番大事で、一番高得点(こうとくてん)をとりやすいのが、読みと書きです。まちがえた漢字は、しっかり書いて練習しましょう。
春から毎週国語の授業(じゅぎょう)で小テストをやってきたメンバーは、かなり力がついていると思います。逆に、夏期講習(こうしゅう)から参加(さんか)したメンバーは、読み書きをしっかり練習するところから始めましょう。あせらずに、少しずつ上達(じょうたつ)していきましょう。
2. 熟語の構成、音訓の組み合わせ問題(小5以上)
読み書きを完(かん)ぺきにしたら、力を入れてほしいのがこの二つです。この二つの問題は、ある程度(ていど)考えることが必要です。
A.熟語の構成について
漢検6、5級で出題される、2字熟語の構成パターンは以下の4通りです。
(1)似ている漢字の組み合わせ 例:温暖(おんだん)、増加(ぞうか)、工作、絵画、河川(かせん)
(2)反対の漢字の組み合わせ 例:大小、勝負、明暗、寒暖(かんだん)、往復(おうふく)
(3)1文字目が2文字目を修飾 「①な②」
例:強風(強い風)、温泉(おんせん)(温かい泉(いずみ))、最高(さいこう)(最(もっと)も高い)
(4)1文字目が動作、2文字目が動作の相手 「②を①する」
例:下車(車を下りる)、加熱(かねつ)(熱(ねつ)を加(くわ)える)、洗顔(せんがん)(顔を洗(あら)う)
分かりにくいのが、(3)(4)です。ここに力を入れてがんばりましょう。
(4)は動作を表す述語が1文字目に来ます。開門(門を開く)、求人(きゅうじん)(人を求(もと)める)、着衣(ちゃくい)(衣(ころも)を着る)といったように、「②を①する」という文を作れます。これは中国語を元にした熟語が多いです。
日本語では「ぼくはウルトラマンを見る」というように、主語→目的(もくてき)語(動作の相手)→動詞(述語(じゅつご))という順番で文を作ります。
一方、中国語では「我看奥特曼」(「奥特曼」でウルトラマンです)と、主語→動詞→目的語の順番で文を作ります。これは英語(えいご)(I watch Ultraman.)と同じ順番です。
主語→動詞→目的語という順番は、英語や中国語を学ぶときに大切にしてほしい感覚(かんかく)ですが、熟語の構成について考えるときにも役に立つ場合があります。
なお、日本で作られた和製(わせい)漢語の中には、(4)とは逆に「①を②する」という熟語もあります。婚約(こんやく)(結婚(けっこん)を約束(やくそく)する)、心配(心を配る)、酒造(しゅぞう)(酒を造(つく)る)などです。鬼滅(きめつ)(鬼(おに)を滅(ほろ)ぼす)もそうですね。このタイプの熟語は、漢検では出題されません。
まぎらわしい熟語で、(4)ではないと分かったら、(3)の可能性が高いです。1文字目→2文字目の順番で読めるか確認しましょう。
熟語の構成が苦手な人は、熟語を分解(ぶんかい)して文にしてみるというのを、答え合わせのときにくりかえしてください。分解のやり方が分からない熟語があったら、辞書(じしょ)を引いたり、先生に質問(しつもん)したりしましょう。
B. 音訓の問題について
音読みか訓読みかを答えさせる問題は、それぞれの漢字の読み方を2つ思い出しましょう。例(たと)えば、「先生」なら「さき、セン」と「なま、セイ」です。このうち、音を聞いただけで意味が分かりやすい方が訓読み、意味が分かりにくい方が音読みの可能性(かのうせい)が高いです。
困るのが、音を聞いて意味が分かるけど音読みというパターンです。
肉(ニク)、絵(エ)、本(ホン)、愛(アイ)、席(セキ)、点(テン)、鉄(テツ)、詩(シ)
あたりです。これらは全て音読みです。とはいえ、こうしたやっかい者は数が限(かぎ)られています。
音を聞いただけで意味が分かれば訓読み、分からなければ音読みという原則(げんそく)で、大体答えられるはずです。
3. 書き順、部首の問題
190点と200点(小3は140点と150点)の間に立ちふさがるのが、書き順と部首です。大人でも練習していないとまちがえます。ステップなどを読んで、正しい書き順を練習しましょう。
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