世界の中で生きていくみなさんへ~英語が大切(小学生:塾だより11-12月号)

 今年も残りわずかになりました。ふり返ってみるといろいろなことがありました。世界に目を向けると、ロシアとウクライナの戦争がまだ続いています。双方に多くの被害者(ひがいしゃ)が出ています。早く収(おさ)まってほしいものです。日本国内でも様々なことがおきました。今、話題となっているのが「円安」です。

 日本ではドルで買い物ができないように、アメリカでは日本のお金である円で買い物ができません。外国へ行くときに円を外国のお金と交換(こうかん)しなければなりません。これを外国為替(かわせ)相場(そうば)(為替レート)といいます。どのくらいの円と外国のお金が交換できるかその比率(ひりつ)は時々刻々(こくこく)と変化します。1ドルが120円だったのが、今や150円ほどになっています。ドルを買う値段(ねだん)が高くなっています。(これを円安ドル高といいます。)アメリカの製品(せいひん)を買うとき、120円で買えていたものが、150円に値上(ねあ)がりしたことになります。多くのものを輸入(ゆにゅう)にたよっている日本には大きな打撃(だげき)になっています。国内の様々な製品の値上げが続いている原因の1つは円安にあるのです。逆(ぎゃく)に、外国の人が日本の製品を安く買うことができます。コロナによる規制(きせい)がなくなった後に外国人観光客が多く訪(おとず)れるようになったのは円安のえいきょうです。これからどうなるのかはわかりませんが、今言えることはより外国との結びつきが強くなっていくということです。

 町中で多くの外国人の労働者を見ます。以前は、中国から来た人が多くいました。日本で高い収入(しゅうにゅう)を得たり、進んだ技術(ぎじゅつ)を学んだりしていました。しかし、アメリカに次いで世界第2位の経済(けいざい)大国となった中国は、自分の国や日本以外の国で働く人が多くなりました。現在ではベトナムからの人たちが増(ふ)えています。だが、円安が進むと外国の人々の収入が減(へ)りますので、日本で働く外国人は減少(げんしょう)するかもしれません。少子高齢(こうれい)社会で働く人が減っていく中で大きな問題になっていくでしょう。一方で、日本を出て外国で活やくする日本人がどんどん増加(ぞうか)しています。

 みなさんが社会で働くようになるころはどうなっているのでしょうか。円安でわかる通り私たちの生活は世界の動きに大きなえいきょうを受けます。そこで必要なことは、しっかりと正確(せいかく)な情報(じょうほう)を得るということです。ICT(情報通信技術)が当たり前となっている現在、多くの情報はインターネットを通じて得ています。わたしたちにはコンピューターに関する知識(ちしき)はなくてはならないものになっています。小学校でもタブレットを使う授業が増えているでしょう。高校生になると「情報」という授業が追加され、全員が受けなければならない教科になっています。そして、世界中から情報を得るためにもう一つ必要なものがあります。それが英語です。世界中のインターネット上の情報のほとんどは英語によるものです。日本国内だけの情報だと限(かぎ)りがあります。世界に視野(しや)を広げるためには英語の情報を理解(りかい)することが大切になってきます。小学校でも英語の授業が増えたのも、中学校で習う英単語の数が以前と比(くら)べようもないくらい増えたのも、このようなことが理由となっています。

 グローバル化という世界との結びつきが強くなっている現在、外国のことをより知りために(それは言いかえれば日本のことをより知ることにも通じます)、英語の勉強を頑張ってください。それが皆さんの将来(しょうらい)に必ず役に立ちます。