「目標」は大きな力になる(小学生:塾だより11-12月号)

 みなさんがこの文章を読むころは、すでに漢検は終わっていますが、今、私がこの文章を書いている数日後、いよいよ漢検本番がやってきます。

 私の教室でも、約2ヵ月間、みんな漢字の勉強を一生けんめいがんばっていました。そして、この2ヶ月間でびっくりするくらい、みんな漢字ができるようになりました。はじめは100点くらいしかとれなかった子が、今では170点以上を平気でとっています。毎年、この得点の上がりようには、正直びっくりさせられます。

 いくら「漢字は暗記だから練習すればできるようになる」とはいっても、ただ練習するだけで、全員がこれだけできるようにはふつうなりません。なぜ、全員がこんなにできるようになるのでしょうか。その理由は「目標を持つ」ことだと私は思います。

 漢検には「全員で合格しよう」という大きな「目標」があります。さらに、私の教室では毎週の漢検対策でも「目標点」があります。そうするとどうなるか。みなさんは「自分だけ漢検に落ちるわけにはいかない」とか、「目標点に届(とど)くようがんばろう」と思います。そして、それが「やる気」につながります。さらに、目標があれば、それが達成できたときに喜びがあります。喜びがあると、次もまたがんばってみようと思えます。このように、きちんとした「目標」があることで、こんなにも得点がとれるようになるのです。ただふつうになんとなく漢字練習をしているだけでは、決してここまで得点は上がらないでしょう。

 そして、これは漢字以外の日々の勉強にも同じことが言えます。例えば毎週の宿題を何となくやっている生徒と、「次の小テストで満点取れるようにがんばろう」という「目標」を持ってやっている生徒とでは、結果はまったくちがってきます。塾内(じゅくない)模試(もし)の前に、「今回は何番以内に入るぞ」という生徒と、何も思わずにただ模試をむかえる生徒とでは、当然結果は変わってきます。

 「目標」は大きな力になります。どんな小さな「目標」でもかまいません。ただ、なんとなく勉強をするのではなく、自分で「目標」を作ってみましょう。「模試の順位をあげよう」という大きなものでも、「今日は宿題を今から30分以内で終わらせるぞ」という小さなものでもかまいません。目標を作り、それを達成できるようがんばり、達成できたら喜ぶ。この流れは必ずみなさんを成長させてくれます。ぜひ、やってみてください。