中1・2生へ 【定期テストで高得点を狙う勉強法の秘訣】(中学生:塾だより5-6月号)

★やる気のあるうちに勉強しよう

(成績を上げる勉強で大切なのは、復習の「タイミング」です。つまり…)

毎年、中間テストの勉強というのは、部活が大変で(総体が近いので激しくなってきます)、勉強どころではなくなってしまう人が多いです。また、新中1生にとっては、初めての定期テスト。何をどう勉強したらよいかが、わからないという人もいるでしょう。勉強計画を作り、自分にあった勉強を始めましょう。

まずは「復習」です。勉強した内容が、まだ頭に残っているうちに振り返ってみましょう。でも、注意点があります。

 それは、

「復習は1回でカンペキにしようとしてはいけない」ということです。

 復習のための練習問題を解くと、スラスラ答えられないことでアセることがあるでしょう。まじめな生徒がよくハマってしまうのです。「1回目でカンペキにしようとする」から、「やったのに覚えていない」ということに対して、ムズムズ・イライラしてしまうのです。1回の復習で、完璧になるはずがない。「う~ん、まだ覚えきれていないな」くらいがちょうどよいのです。そしたら、また見直しをする。これでよいのです。

 大切なのは、復習の回数です。「1回目は、8割でOK」という感覚です。

 1回目で完璧にしようとしたら、驚くほど時間がかかってしまいます。時間をかければかけるほど習得率の伸びは小さくなっていきます。8割までの時間と、そこから10割までの時間はほぼ同じくらいで、費やすエネルギーは莫大です。(それでも、ケアレスミスはなかなか少なくならないのです)。

 復習にもある「ゴールデンタイム」

 テレビ番組では、視聴率の良い時間帯は7時~11時、お肌の場合は、細胞の代謝をうながしやすい睡眠の時間帯は夜10時~深夜2時、と言われています。ドイツの心理学者エビングハウスが100年前に研究していた有名な「忘却曲線」というものがあります。それによると、単純な暗記ものは復習しないと、覚えた20分後に約42%を忘れ、1時間後では44%覚えていて、1日後には約74%忘れてしまう(26%覚えている)というのです。さらに、6日後には約24%、1ヶ月後では約21%しか覚えていないとのことです。

授業で習ったことを「覚えておける人」と「すぐ忘れてしまう人」の違いは「復習」をいつやるか、ということなのです。記憶したものは完全に忘れてしまうのではなく、「思い出せない」状態になっているだけなのです。2回・3回と覚えなおすと、「ああーアレね、そうだったねー」とそれを頼りにどんどん忘れるスピードが遅くなるのです。でも1ヶ月も経つ(約21%の記憶)と思い出せなくなってしまうので、1ヶ月もほったらかしにしてはいけません。

 では、どのタイミングに復習をすればよいか。よく言われるのは、「1日後、その1週間後、その2週間後、その1ヶ月後」でもこれは、なかなかできないでしょう。

 そこで、いつもの勉強時間のパターン見直します。塾(学校授業)の当日(翌日)⇒土日(絶対必要)⇒授業前日(当日)(ノートや宿題の見直し)などはどうでしょう。勉強する日を変えるだけです。

 さて、近年AI(Artificial Intelligenceの略)いわゆる人工知能の進歩が目覚ましく、活用に向けた動きが加速しています。中でも2022年11月にアメリカのOpenAIが公開した「ChatGPT」が、マイクロソフトが提供する検索エンジンBingに組み込まれたことが話題になりました。「ChatGPT」とは、問いかけに対して自然言語処理で回答を行なうAIチャットサービスのことで、日本語にも対応しています。技術的な説明は避けますが、自然な受け答えを評価される一方、内容の誤りの多さなど課題も抱えているのが現状です。百聞は一見にしかずということで、前段の内容を含む文章をChatGPTで作成してみましたので、見てもらいたいと思います。

<逆にしてはいけない3つのこと>

.一夜漬け…テスト直前の一夜漬けは、焦りと疲れと睡眠不足を呼ぶだけで「百害あって一利なし」です。一流アスリートも、本番直前は軽いストレッチしか行いません。体力を温存して万全の状態で試験に取りかかれるコンディションを整えましょう。

.きれいな字・多彩な色分け・完璧な板書写し…このような一見「完璧なノート」を作っていてもあまり成績が良くないことがあります。これはノートを「作品」としてきれいに仕上げることに夢中で、内容が頭に入っていないからです。覚えなければならないポイントだけは目立つようにしたり、間違えた理由をメモ書きしたり、工夫しましょう。かといって、字を汚く書くのもいけません。成績が思わしくない生徒のノートは、字が汚いという傾向があります。雑なノート(自分でも何を書いたのか分からない)はNGです。

3.練習問題で間違えた問題の解答を見て満足している…過去問や練習問題で間違えた部分を、正答例だけ見てわかったつもりになっていることはないですか? 間違えた部分は必ず解き直し、自分の頭に「何を間違えたのか」を考え直させましょう。いくつかの問題を解き直すうちに、自分の間違いパターンに気付くことができます。これが正しい「復習」です。テスト対策は、苦手部分の自覚から始まります。

★具体的な定期試験で高得点を狙うための勉強計画とは……

1.計画的な勉強…<ポイントは、以下のことです>

 ・学校ワークを最低2回以上はやる予定で計画を立てる。

 ・優先教科を決める。(苦手な教科・得意な教科)

 ・塾の授業(いつもの授業・対策授業)との両立。

 ・塾で自習する日を決める。

2.過去問の復習…実際に出題された問題なので、できなければ点数は上がらない。テストの復習はそのまま苦手分野の発見と克服につながります。

 ・自分の学校以外の問題を解くことが重要です。

3.イージーミスを防ぐ…特に数学での計算問題や応用問題の途中計算でイージーミスをしてしまうのは、もったいない。防ぐだけで、プラス20点も夢ではない。

 ・イージーミスは「焦りと油断」から生まれる。つまり、注意力が落ちてくることが原因なのです。これを防ぐには、時間内で一定数の問題をこなす練習をすることです。時間を計りながら問題を解き、集中力を身につけましょう。キッチンタイマーの活用です! 台所の冷蔵庫にくっついているものを使いましょう!

4.効率よく暗記する…英単語や漢字・歴史の重要用語などの暗記ものは、カードに書いてただ持ち歩くだけでは効率のよい暗記はできません。

 ・カードは分類して覚えるとよいでしょう。「すぐ分かったもの」「何とか当たったもの」「間違えたもの・分からなかったもの」に分類し、使い分けをする。

 

<テストが終わってからもやるべきことがあります>

答案が返ってきたら、必ず間違えた問題をチェックすること。頑張れば頑張っただけ、今回の成果と次回の教訓がはっきり現れます。特に英・数・国の「積み上げ科目」は、今回のつまずきを放置すると、その後に続くすべてがわからなくなってしまいます。確実に理解しましょう。

きちんと取り組めばそれだけ、成績は上がります。頑張って下さい。

(後藤先生)