春の受験生は二刀流(中学生:塾だより5-6月号)

 タイトルにある「二刀流」ですが、このタイトルを見て最初に何が思い浮かびましたか。おそらく今年の受験生は、WBC(World Baseball Classic:ワールドベースボールクラシック)に出場した大谷翔平選手を思い浮かべた人が多いのではないでしょうか。私は野球に詳しくありませんが、そんな私でも名前を聞いたことがあるくらい有名な野球選手です。近代のプロ野球では非常に稀な、投手と打者を兼任して活躍する「二刀流」の選手です。

では、タイトルの「春の受験生は二刀流」とは?

 ずばり、「部活と勉強の二刀流」を頑張るということです。春から皆さんは、最後の大会に向けて一生懸命部活や習い事を頑張っていると思います。ですが、同時に受験生であるという事も忘れてはいけません。

 これまでも部活と勉強の両方を頑張ってきたとは思いますが、最後の大会に向けて勉強(塾)がおろそかになり、部活一辺倒になってしまうかもしれません。ですが、ここで部活を言い訳にせず、大変な時期に自分は勉強も頑張った、という経験は受験にも活きてきます。

 部活と勉強の両立=二刀流を成し遂げることは大変だと思います。だからこそ、その大変な壁を自分は乗り越えた、打ち破ったという経験は自信にもつながりますし、夏以降も勉強を頑張れる原動力の一つになってくれるでしょう。

人生が夢をつくるんじゃない。夢が人生をつくるんだ。

 これは、大谷翔平選手が「人生の目標シート」という当時17歳のときに書いたものの言葉だそうです。夢は目標と言い換えてもいいかもしれません。目標なくして人は頑張れません。まだ志望校が定まっていない人は、どのくらい今頑張ればいいのかわからないと思います。逆に、具体的な志望校(目標)が決まっている人は、その目標に対して偏差値がいくつくらい足りないから、この科目をこれだけ頑張ろう、といった具体的な行動が取れると思います。この差は非常に大きいです。

 まだ志望校があやふやな人はもっと部活が忙しくなる前に、通ってみたい高校を見つけ出す必要があります。志望校が決まっている人は、その目標を常に意識して、日々過ごすことが重要になってくると思います。

これから先、どれだけ伸びるかという事の方がすごく大事

 大谷翔平選手が結果を出したときに残した言葉だそうですが、受験生にとっても大切な言葉です。受験本番は1月の私立入試、2月の公立入試になります。それまでにどれだけ自分自身を成長させられるかが大切です。

 そのためには計画的に勉強する必要があります。部活や習い事がある中で、1日の中でこの時間は勉強に集中するとしっかり決めておき、それを強い意志で実行してみましょう。それを継続することで勉強する習慣が出来上がり、部活を引退した夏以降の勉強への集中力が大きく変わってきます。

無理だと思わないことが一番大事

 大谷翔平選手は、プロに入ったときに評論家や一部のファンから「二刀流はできない」と決めつけられていましたが、強い気持ちで努力し、今やMLB(メジャーリーグベースボール:アメリカおよびカナダ所在の合計30球団により編成される世界最高峰のプロ野球リーグ)でも大活躍しています。

 受験生も同じです。志望校に受かりたいという強い気持ちが、勉強する力を生み出します。千葉進研の教師陣は、皆さんが志望校に合格できるよう全力を尽くします。しかし、最後に入試に立ち向かい、合格を勝ち取るのは他でもない自分自身です。そのときに自分自身を信じられるよう、最後まで強い気持ちで受験に立ち向かって下さい。

(露﨑先生)