激変する高校受験(中学生:塾だより7-8月号)

「千葉県公立高等学校入学者選抜改善会議の結果」

 今春の公立高校入試で採点誤りが多数確認された事態を受け、千葉県教育委員会では千葉県公立高等学校入学者選抜改善会議が行われてきました。

そして6月14日、千葉県教育委員会のWebサイトに「千葉県公立高等学校入学者選抜改善会議の結果」が公開されました。その中の『報告書(概要)』の内容を確認してみます。

 

まず、採点誤りの原因について以下のようにまとめられていました。

  • 採点や点検に対し、集中力の低下や慣れが生じるなど、採点者及び点検者の意識の面が要因の1つである。(調査では、誤りの主な要因について、約83%の学校長が、採点者の集中力の持続や慣れであると回答)

  • 多くの学校で、限られた時間の中での焦り、長時間にわたる採点業務による疲労や、採点のみに集中できない状況等によって、採点者の集中力や意識の低下が生じ、誤りにつながった。

  • 問題構成や配点の複雑さ等によって誤りが生じやすくなった。また、解答用紙に小問の得点記入欄が設けられていないため、得点記入が雑になったり、得点集計の際、読み落としや読み誤りにつながったりした。

  • 全ての学校において県教育委員会の指示に則った採点マニュアルを整備、運用していたが、ヒューマンエラーを防ぐことはできなかった。また、点検回数を増やすと、誤りの件数は減らせるものの、誤りをなくすことまでは期待できず、一方で、採点者の負担が増えることも考えられるため、点検回数に誤りの原因があるとは言い切れない。

こうしたことを受け、以下の内容が提言されました。

○問題の配列・解答用紙の構成の改善
  • 配点や解答方法が同じ問題を可能な限り揃える。併せて、解答用紙についても、問題ごとの小計欄を設ける等、採点者目線での配慮を行う。マークシートやデジタル採点システムを導入すれば、この問題は解消する。
○2系統での採点と、ボーダーライン付近の点検の実施
  • 採点を2系統でそれぞれの担当が行った上で、採点結果を突き合わせて点検を行う。デジタル採点システムであれば、効率的、効果的に実施することができる。
  • 合否のボーダーライン付近の点検を実施し、合否の誤りを防ぐ。
○採点業務に集中できる日程の工夫
  • 採点業務の合間に授業を行わなければならないなど、採点に集中できない環境を 改善するため、採点のみを行う採点日を2日程度設ける。

○県教育委員会からの指示(統一のマニュアル)
  • 改善策について、中学校や高等学校等への周知の徹底を図るとともに、採点や点検について、県共通のマニュアルを作成し、県教育委員会としての方向性を示す。

 今後ですが、上記の内容を受けて千葉県教育委員会が改善策を公表(7月中旬予定)するとのことです。

さらにそれを受けて、8月開催予定の公立高等学校入学者選抜実施要項説明会において、生徒や保護者等に、改善点について具体的に説明するとされました。

気になる点

 やはり気になるのは、太字にした「マークシートを導入」「記述式問題は残すべき」の2点です。これまでの経緯はともかく、来春から公立高校入試問題は大きく変わることになります。

また、私立高校でも推薦入試制度の大幅な変更を予定しているところが何校もあります。こちらも、生徒によっては受験戦略の立て方を大きく変える劇的なものです。的確な受験準備を行うための情報収集が欠かせません。

 

 英検でも従来型の年3回に加え、「S-CBT」というスピーキング、リスニング、リーディング、ライティングを1日で測ることのできるタイプが登場しています。

CBTはComputer Based Testingの略で、すべてコンピューターを使用して解答するなど試験の受け方が従来型とは大きく異なります。英検の取得級は、高校受験(特に私立高校)で評価される主要な資格の1つです。

その取得方法も多様化していることを知っておいていただきたいと思います。

 

 今年から来年にかけ、高校入試に関わる多くのことが大きく変化していきます。受験に向けては、綿密な情報収集と的確な状況判断、そして常に最悪の事態も想定しながら受験に向けた戦略を立てていくことが重要ですが、その重要性が格段に増すのが来春の高校入試となります。

初めての高校受験を控える生徒のみなさんはもちろんのこと、保護者のみなさまも入念な情報収集をお願いいたします。

ご自身の高校受験当時の情報はもろちんのこと、数年前の情報ですら通用しない恐れのある状況がすぐ目の前にあります。

 

 千葉進研では、これからも塾だよりの紙面や、各教室からの発行物等を通じて最新情報を絶えず発信してまいります。

また、保護者会や面談、日頃の授業等を通じて、担任教師がお子様の高校受験までの道筋を示してまいります。千葉進研はこれまでも、多くの変化を乗り越えて結果を残してきました。千葉進研と共に、正しい情報に基づいて準備を進めていけば、必ず実りある高校受験となることでしょう。

塾ではこれから夏期講習に突入します。まずは生徒1人ひとりに学力面でしっかりと準備させてまいります。

 

今後ともよろしくお願いいたします。