困難は分割せよ (中学生:塾だより9-10月号)

 夏休みも終わり、1年のうちの半分が終わろうとしています。みなさん今年の前半戦はどうでしたか? 今回は苦手科目への取り組みについてお話します。受験生の皆さんはあと半年で何とかしなければいけない重要な問題です。中1・中2生の皆さんも「まだ受験はだいぶ先だから」と先延ばしせずに、早めに取り組み始めることが重要です。早ければ早いほど軌道修正しやすいですし、時間的にも余裕をもって取り組むことができます。

「塾の先生に相談する」

 さてまず何から始めようというときに、必ずやって欲しいのは「塾の先生に相談する」ということです。よく自分で問題集を買って勉強を進めている人がいますが、問題集選びの時点でミスをしている人を結構よく見かけます。問題集の難易度が本人に合っていないと、せっかくの努力が無駄になってしまいます。

 例えば「〇時間で総復習、中学の数学3年間」みたいな薄めの問題集をよく見かけますが、こういうものは今までほとんど勉強をやってこなかった人向けなので、受験においてはほとんど役に立ちません。逆に受験を意識しすぎるあまり難しめの問題集を選んでしまい、全然わからなくてもっと嫌いになるという場合もあります。

 例えば入試問題と言っても、私立と公立で全然レベルが違いますし、中3生であっても、今の時期に入試問題をやるべきかどうかは、本人のレベルや優先順位などによって正解が違ってきます。必ず先生と相談して、自分のレベルにあったメニューを決めましょう。

「直ぐには結果が出ない」

 次に意識して欲しいのは、「直ぐには結果が出ない」ということです。例えばダイエットや筋トレなどでもそうですが、今日どんなに頑張ったところで、明日すぐに結果が出てくるということはありません。新しい問題集を買った直後とかは、テンションが上がって何時間もやったりするけれど、直ぐに結果が出るわけではないので、「こんなに頑張っても、全然上手くいかない。」と、気持ちが折れてしまうということは良くあります。苦手教科に関しては、むしろ「上がったらいいな」くらいの気持ちで、軽めのメニューを「毎日・少しずつ・丁寧に」やることが重要です。

間違い直しについて

 最後は、間違い直しについてです。問題集を新しく買ってやるというのは、分かりやすい手段ではありますが、実際にできない部分というのは、細かく色々な所に散らばっています。塾でたくさんの問題演習をすると思いますが、それをただ何となくやっている人としっかり見直す人とで大きな違いが出てきます。例えば、毎週決まってやるようなプリント演習は、1冊ノートを作って、そこに間違い直しをしていったらどうでしょうか。コツコツ頑張った証が形となって残るのは、辛い時に支えにもなりますし、何より以前の自分ができなかったところしか載っていない最高の参考書になります。

 

 結局、自分にとって最高の問題集・参考書は書店を探して見つけるものではなく、「自分自身の努力で作り上げるもの」なんですね。そういった意識をもって間違い直しをしてみませんか。

 

 

(菱谷先生)