中学生の勉強法(塾だより5-6月号)

いよいよ、新年度最初の定期試験が近づいてきました。もう何度も先生から聞いて、耳にタコができているとは思いますが、千葉県の公立高校入試では中1から中3までの通知表の成績も点数として加算されます。その通知表の成績を決定する最大の決め手は、学校の定期試験です。そのため、中学1年生も2年半後に備えて、定期試験を一生懸命頑張らないといけません。

しかし、学校の成績は良いのに塾での模試の成績はイマイチという生徒もいます。これは、学校のテストと模試、そして高校入試の内容が大きく異なるからです。学校のテストは、狭い範囲(狭いと言っても、小学校のテストよりはずっと広いです)を隅から隅まで出題するものです。数週間で教科書の試験範囲の内容を詰めこめば、たとえ前回のテストでやった内容を忘れていたとしても、そこそこ良い成績を取ることができます。一方、塾の模擬試験や高校入試は、出題範囲がとても広いです。短期間の勉強では太刀打ちできません。長期的に、日頃からコツコツ勉強しないといけません。

競走でたとえると、学校のテストは短距離走、模試や高校入試は長距離走です。テストとは言っても、その勉強の方法は全く異なるのです。中学生はこの2つの競技で戦っていけるよう、勉強していかないといけません。

学校の定期試験の勉強、入試に向けた勉強。どちらにも共通するのは、勉強は質より量 ということです。

よく生徒から、「効率の良い勉強方法はありませんか」という質問を受けますが、そんなものはありません。勉強時間を確保しない限り、良い成績は取れません。よく言われているのが、定期試験前は学校のある日に「学年+1」時間は勉強しなさいということです。中1だったら2時間ですね。もちろん、学校のない日はもっと勉強します。たくさんたくさん勉強してようやく、自分が成績を上げるためのやり方がつかめるのです。

去年の今頃はCOVID-19のせいで、みんなは学校にも塾にも2か月間通えませんでしたね。ストレスで勉強に手がつかなかった人も多かったと思います。しかし、この辛い時期に頑張った受験生(今年の高校1年生)は、9-10か月後の入試で良い結果を残しています。これを読んでいるあなたも、ぜひ、先輩たちに続いてください。

なお、明らかに効率の悪い勉強法はあります。たとえば、テスト3日前にノートまとめをするとか、プリントの問題を何ページも解いた後にまとめて答え合わせをするとか。実際に問題を解く練習をしないとテストには慣れることができませんし、問題を解いてから答え合わせをするまで時間が空いていると、やった問題について記憶が薄れます。最悪なのが、答え合わせの時に間違えた問題に〇を付けることです。これでは時間のムダどころか、間違ったことを覚えてしまうので有害です。逆に言えば、こうした方法をせずにコツコツと頑張っていけば、実力は身についていきます。

早くマスターしたいのが、暗記の方法です。漢字や英単語、理社の用語は日頃から覚えていかないといけません。さらに、定期試験では、国語の教科書本文(特に古文)や定番の問題を覚え、英語の教科書本文を書けるようにならないといけません。数学は暗記ではないと思うかもしれませんが、実は数学も「こういう問題はこんなパターンで解ける」という解法を覚えて慣れる科目です。

勉強を重ねて、どうやれば自分は暗記をすることができるのか、学んでください。私は中学生の頃、英単語を覚えるとき、「a・p・p・l・e→apple→りんご」と、「スペル→発音→意味」を口に出しながら、単語を書いて覚えていました。一つの単語につき10回ずつです。この方法が、誰にとってもベストという訳ではないと思います。それでも、覚えられないと困っているなら、試してみてください。

勉強をしていく上で、暗記からは逃げられません。必ず上手になりましょう。

今回は各科目については掘り下げませんが、国語の勉強については書きます。学校の定期試験と模試や入試との間で、最も内容が異なるのが国語です。定期試験では、あらかじめ決められた文章が出題されるのに対して、模試や入試では初めて見る文章に挑むことになります。入試では最初の科目が国語なので、国語で失敗するとあわててしまい、その後の数学や英語も連鎖爆発する危険があります。国語は地味ですが重要な科目です。

国語を上達させるには、まず漢字を覚えるのが第一ですが、次に長文問題の間違い直しがとても大事です。国語の長文問題は、各問題が本文中のどの部分の話なのかを見つける、言いかえると、問題と本文の似ているところを探すゲームです。あるレストランで遊べる間違い探しが難しいと評判ですが、アレが得意な人は、長文問題も得意なはずです。間違い探しというのは、同じ所と違う所を見分けるゲームなのですから。

間違えた問題について、「(3)の答えの根拠は13~14行目」と、本文に赤ペンで線を引っ張ってみましょう。「あ。こことそこは似ている」と気付くはずです。宿題の長文問題でこれを丁寧にやっていけば、次第に慣れていきます。

まとめると、中学生の勉強とは、
(1)勉強時間を確保して、(2)暗記の方法を身につける
というのが一番です。

勉強を上手になってください。
勉強ができるようになると、楽しいことが増えますから。