英検で英語を上手になる(中1中2:塾だより11-12月号)

“Hi. How are you?”

“Fine. Where are you from?”

“I’m from Japan. How about you?”

”I’m Chinese. Nice to meet you.”

“Nice to meet you, too.”

のような会話は教科書の中だけだと思っている、そこのあなた。あなたも、こういう会話を当たり前にする日が近づいてきています。


ここ数か月で「メタバース」という言葉が世間に広まってきました。メタバースというのは、インターネットやVR機器(Virtual Reality=仮想現実)などを利用して、あたかも目の前に相手がいるかのようにコミュニケーションを取れる場所のことです。そこでは住んでいる国に関係なく、様々な人と身振り手振りを交えつつ音声で会話し、一緒に様々な世界を探検したり、遊んだりすることができます。『あつまれどうぶつの森』の中に入りこめるようなものだと想像してください。

そうしたときに使われるのは、Lingua Franca(国際共用語)である英語です。相手がアメリカ人でもドイツ人でも中国人でも、英語で話すことができます(もちろん、日本語話者だけのコミュニティもあります)。ちなみに、生まれつき英語を使っているアメリカ人やオーストラリア人の英語よりも、同じアジア人の英語の方が私達には聴きやすいかもしれません。

英語を話せることで、新しい友達を増やし、あなたの世界を広げられる可能性は、これからさらに増えていきます。単に試験に受かるためというだけでなく、英語を得意になっていってほしいと思います。

英語を得意になるためには、当たり前ですが、英語の勉強が欠かせません。そして、勉強をするなら、勉強をする目的があると、やる気が出て上達しやすくなります。みんなに共通する目的としては、学校のテストや模試、そして高校入試があります。しかし、他にも英語を勉強する目標として利用できるものがあります。それが英語検定です。

英検は英語を勉強する動機としてうってつけです。英検の勉強をすることで、単語の知識を増やし、リスニングにも慣れることができます。それらの勉強は、最近の定期試験や高校入試の英語の勉強に大いに役立ちます。

まず、今年度から教科書が新しくなり、登場する単語の数が増えました。中3修了までに2500語。これは英検3級レベル以上の単語数です。また、最近の千葉県の公立高校入試では、リスニングの配点が30点以上と、英語を聴く力がとても大事になっています。英検の勉強を通じて、中学校のテストや高校入試の英語の勉強ができるのです。

しかし、英検の勉強をする上で、気を付けないといけないことはあります。それは、英語をほとんど書けなくても、英検に受かってしまうことができるということです。英検3級や準2級では作文もありますが、だいたい型が決まっているので、作文が原因で不合格となることはほとんどありません。そうしたことから、英検3級を持っているのに、テストの点数はいまいちという中学生を見ることは、決して珍しくありません。

では、どうすれば、良いのでしょうか。

大切なことは、英検を利用して英語を勉強するということです。

例えば、知らなかった単語を書いて練習するというのは、シンプルながらもとても効果的です。筆記試験の大問1は英文の中の( )内に入る単語を4つの選択肢から選ぶ問題ですが、正解以外の単語もぜひとも書いて使えるようになってほしいです。その単語は今度、学校でも使います!

また、長文問題にしっかりと取り組むことで、模試や入試の長文にも対応していくことができます。いつも、本文の何行目を使えば問題を解けるのか考えて、問題をやりましょう。間違え直しのときには、国語の長文問題と同じように、本文に線を引っ張ってみましょう。丁寧に間違い直しをするのを繰り返していくと、必ず上達していきます。

英検は英語を勉強する目標として有効ですが、あくまで英語を上達するための手段です。

英検を利用して、英語を上手になってください。そして、英語を利用して、あなたができることを増やしてください。