新年度の始まりに(中学生:塾だより3-4月号)

年明けから急拡大した新型コロナウイルス第6波は、未だ収束が見通せない状況です。また、ウクライナとロシアを巡る問題が起こり、国際情勢も緊張感を高めています。身近なところでは、今春の高校入試が終了しました。中3生全員の努力と、その周囲の人々の応援・協力があり、概ね無事に入試を終えられたことと思います。公立高校合格率は塾調べではありますが、この春も8割を超える好結果でした。惜しくも合格に至らなかった生徒たちも、千葉進研で得たものを次のステージで存分に生かし、さらに成長していくはずです。この塾だよりは、卒塾する中3生のみなさんには届きませんが、まずは卒塾生のみなさんのますますの健康と活躍を祈りたいと思います。

 

さて、2022新年度がついに始まり、次はみなさんの番となりました。年度の始まりといえば、1年の目標ということになるでしょうか。みなさんの今年度の目標は何ですか。第1志望校への合格、定期テストや模試の成績アップ、漢検や英検への合格、もっと成長する、もっと元気に過ごす、普段の生活習慣や学習習慣を良くする、大小様々な目標が立てられると思います。そしてぜひ、1人一ひとり思い思いの目標を持って、新年度をスタートしてもらいたいと思います。

 

目標を立てた後は、その達成に向けて「がんばる」ことになります。みなさんに意気込みを聞いたり、スコアレポートなどに本番に向けてのコメントを書いてもらったりすると、ただ「がんばる」とだけ返ってくることが多くあります。この「がんばる」という言葉には注意が必要です。

 

「がんばる」という言葉を辞書で調べると、いくつかの意味が出てきます。みなさんの言う「がんばる」とは多くの場合、こちらのうちの「困難にめげないで我慢してやり抜く」という意味に当てはまると思います。この中に「我慢して」という部分があります。我慢というのは、する必要がなければしたくはないものです。したくはないけれども、必要がある、しなければならないから我慢するわけです。つまり「がんばる」というのは、できればやりたくはないけれども、やらなければならないから、必要だからやるということになります。

 

ではもし、がんばらなくても目標が達成できるとしたらどうでしょうか。それならそれに越したことはないでしょう。同じく目標を達成できるのであれば、したくない我慢を伴う「がんばる」をせずに済む方が良いと考えるのが自然だと思います。ただ実際には、何もがんばらなくても目標が達成できることはありません。ただ「がんばる」を減らすことはできます。そうであれば「がんばる」を減らすことこそ、がんばるべきことではないでしょうか。

 

これをテストに向けた勉強に当てはめてみましょう。例えば、既に塾や学校で習った100題の問題の中から20題が出題される単元テストを控えて、そのテスト勉強をするとしましょう。この時、100題全てを時間をかけ、まんべんなく練習しますか。これでは時間も労力も相当にかかります。そのために他の何かを我慢しなければならないかもしれません。まさに「がんばる」状態です。

 

しかし、既に習っている100題ですから、そのうち不安のある出来ない問題は一部だけだと思います。個人差はありますが全部ではないはずですね。そうであれば、不安のある問題だけに絞って取り組む方が効率が良いはずです。さらに、普段から不安な問題や後で練習した方が良いと思った問題に印をつけ、後々振り返りやすいようにしておくなどの工夫をしておけばさらなる効率アップが図れますね。結果的に、こうしたスタイルで取り組む生徒の方が結果が良いことが多い気がします。そして、高校、大学、社会人と段階が進むにつれて、効率よく学ぶことがどんどん重要になっていきます。

 

新年度の開始にあたり、みなさんは目標を持つと思います。その目標を達成するために「(辞書的な意味での)がんばる」だけになってしまうことを避けて、「(本当に結果の出る方法を追求することを)がんばる」ことに力を注いでほしいと思います。一方で、一見すると無駄と思えることに、実は大切な何かが隠されているというのもまた真理ですから、保護者の方や先生、周囲の大人たちや仲間たちから聞く様々な話、旅行や読書などを通じて見知ることなど、あらゆるものを吸収する余裕や柔軟性も持ち合わせてほしいと思います。

 

こうしたことに全力で取り組める、そんな場所の1つに塾、千葉進研はなりたいと思います。今年度もよろしくお願いします。