大輪の花を咲かすには(小学生:塾だより5-6月号)

小学生のみなさん、新しい学年にはもう慣(な)れましたか? 学年が上がるとわくわくするものですが、同時に学習内容(ないよう)も難(むずか)しくなります。学年が上がることで、勉強に難しさを感じている人も増(ふ)えてきていると思います。

そこで今回はみなさんに、あるお話しをしたいと思います。

それは、「何事も最初(さいしょ)はできないのが当たり前」ということです。

例(たと)えば勉強中、難しい問題が出てくると、解(と)こうとしてもやり方がわからず止まってしまうことも多いでしょう。ここで多くの子が、『解けない→自分には能力(のうりょく)がないと思いこんでしまう→やる気がなくなる→やらない』とあきらめてしまいます。

ですがみなさん、よく考えてみてください。問題と言うものは、ぱっと見てできるのが当たり前なのでしょうか。そんなはずはありません。できないからこそ問題になるのです。できるのが当たり前ならみんな100点となり、テストになりません。たしかに小学生の低(てい)学年のころは、問題は簡単(かんたん)でした。ぱっと見てスラスラ解けるのが当たり前という人も多かったでしょう。でもそれは基礎(きそ)の基礎だけを勉強していた昔の話なのです。

できない問題をできるようにすることこそが真の勉強です。スポーツでもゲームでもなんでもそうです。最初はみんな下手(へた)なのです。当たり前です。やったことが無(な)いのですから。それを何度もくり返し練習して上手(うま)くなっていくのです。

くり返せばだれでも必(かなら)ずできるようになります。問題も解けるようになります。でも「ぱっと見てできないから自分にはきっと無理(むり)なんだ」と思ってやめてしまったら何も始まりません。「問題はできないといけないんだ」という先入観(せんにゅうかん)を捨(す)て、「最初はできないのは当たり前。くり返せばできるようになるさ」と考えながら、前向きに勉強してみましょう。

みなさんはまだまだ成長(せいちょう)の途中(とちゅう)です。今はまだできないことも、これからの努力でいくらでもできるようになります。良(よ)い意味で皆さんはまだ発展(はってん)途上(とじょう)なのです。今が完成(かんせい)品ではありません。

今の段階(だんかい)で無理だとあきらめてしまったら、それは花が咲(さ)く前に芽(め)をつんでしまうようなものです。もったいないですよね。だからこそ未来の自分を信じて、前向きにがんばりましょう。