国語の力をつけたい!(小学:塾だより1-2月号)

「勉強について私が大切だと考えていること

―― それは、すべての勉強の基本は「国語力」にあるということです。」

そうおっしゃるのは、テレビでコメンテーターなどもされている信州(しんしゅう)大学特任准(とくにんじゅん)教授(きょうじゅ)の山口真由さんです。朝やお昼の番組では本当によく見かける方です。

この山口さん、見た目も芸能(げいのう)人のような素敵(すてき)な方ですが、経歴(けいれき)がものすごいです。

“東京大学を「法学部における成績(せいせき)優秀(ゆうしゅう)者」として総長(そうちょう)賞(しょう)を受け卒業。財務(ざいむ)省勤務(きんむ)後、弁護(べんご)士として活動。アメリカに留学(りゅうがく)してハーバード・ロースクールに学び、ニューヨーク州弁護士登録。帰国後は東京大学大学院法学政治学研究科博士課程(かてい)を修了(しゅうりょう)。”

まとめると、①東大首席のハーバード大学院卒の博士で、②アメリカでも活動できる弁護士で、③芸能活動もできるけど少し不器用な人です。

ほぼ完璧(かんぺき)な人生なのに、少しだけ不器用なところが魅力(みりょく)の山口さんが、才能だけではなく、そうとうな努力の結果、これらのことを実現してこられたことはまちがいありません。

「私の両親は、『国語力だけで中学校までの全教科をカバーできる』と考えていました。父に至(いた)っては、高校までカバーできるのではないかと言っていたほどです。おおむね、私も同意見です。」

と、国語の力を重要視されている山口さんですが、国語力を上げるために特別な教育を受けたことはないそうです。そして、気になる国語力を上げる方法については、ただ一言、

「ていねいに読む。」それだけだと言いきります。

具体的にはご自分で、「7回読み勉強法」という方法をあみ出し使ってこられました。これはシンプルな方法で、「同じ本を7回読む」というものです。もちろん読む本はしんちょうに選び、1回1回は軽く読むにしても、同じ本を7回も読むという人はなかなかいないと思います。山口さんの経歴をみると、このシンプルな学習法の突破(とっぱ)力を感じます。

さて、国語の問題を解(と)くとき、その文章を7回読む人はどれだけいるでしょうか。みなさんは問題を解くとき、ふつう何回ぐらい読んでいますか。テストのときは時間がないので無理だとしても、練習問題を解くとき、授業(じゅぎょう)のとき、宿題をやるとき、本当にわかるまでしっかりていねいに読んでいる人はどれだけいるでしょうか。

わかるまで読まないで、「文章問題が解けない」「国語が苦手だ」というのは、マラソンをやっていて途中(とちゅう)で立ち止まっているのに、「ゴールできません!」と言うのに似(に)ています。知らない言葉や漢字、慣用句(かんようく)などは、ちゃんと読んでいると自然に気になって調べたくなるもので読まない言い訳(わけ)になりません。自分からわかるまで読む(聞く)という習慣(しゅうかん)は、すべての学習の土台になります。ぜひあきらめることなく、わかるまでていねいに読んで問題に挑戦してみてください。きっと7回もいかないうちに、みなさんであればちゃんと理解することができると思います。

引用 https://studyhacker.net