失敗で終わらせない(小学生:塾だより7-8月号)
何か練習をしているとき、例(たと)えばなわとびって、ふつうミスして終わりますよね。二重とびの世界記録(きろく)は10,709回だそうですが、残念ながら10,710回目は失敗だったということです。うでたてふせは連続(れんぞく)で10,507回。10,508回目はおしくもできなかったようです。何連勝(れんしょう)とか何連覇(れんぱ)というのも、終わりが来るのが世の常(つね)。ぼくらはもっと少ない数で終わってしまいますが、さいごは失敗して終わるのがふつうです。
でも、ぼくらはこれらの記録をみて、まず「失敗」とは思いませんよね。ぼくも調べていて「すごい!」という気持ちしか出てきませんでした。信(しん)じられない記録ばかりです。それは「失敗した結末(けつまつ)」ではなく「続(つづ)いたこと」のすばらしさにぼくらが目を向けているからです。ところが自分のことになるとどうでしょう。さいごの「失敗」ばかりを気にしてはいないでしょうか。そんなに長く続いたりはしないかもしれないけど、あなたが「やったこと」をあまりにかるく見すぎてはいないでしょうか。
ぼくらはチャレンジを「失敗」で終わらせないために、まずゴールを決めるべきです。世界記録をねらう人はそれまでの記録がゴールです。それをこえればその挑戦(ちょうせん)は「成功(せいこう)」になります。今のあなたにはできないけど、明日のあなたになら達成(たっせい)できるワクワクするようなあなた自身の目標(もくひょう)を持ってください。そして達成したら心からよろこんでください。
次にやり方を考えましょう。できないのには理由があります。そして、できるようになる方法(ほうほう)もきっとあります。どうすればいいかわからないのなら、それはあなたがまだやり方を知らないからです。知らないなら知っている人にきけば良(よ)いのです。勉強のことなら塾(じゅく)があります。ただやり方を知らないだけなのに、あきらめて勉強をきらいになるのはもったいなさすぎます。
最後(さいご)に、そのチャレンジを楽しみつづけることです。なわとび1回とびの世界記録はおどろきの151,409回です。しかしこの挑戦、と中で休けいをはさむことができます。なんと「24時間で何回とべるか」というものだからです。うでたてふせも同様に、現在(げんざい)は24時間での回数になっていて、46,001回です。さらに1年という期間で150万230回という記録もあります。1年間、平均(へいきん)で毎日約4110回以上うでたてふせをしたことになります! サッカーのリフティングも調べてみたのですが、こちらは24時間ずーとボールをおとさずにけりつづけた人がいました。ぼくらもいちど挑戦すると決めたら、かんたんにあきらめずにいどみつづけてみませんか。失敗することで開く未来もあります。何度でもチャレンジがゆるされる若(わか)さという宝物(たからもの)を、最大限(さいだいげん)に活用してみてください。